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第7話 春の訪れ
―後日
母親はリビングでうたた寝をしていた。
そこへ、室内にも関わらずふわりと風が通り抜けた気がして、母親は目を覚ました。
不思議に思いながらも母親は仏壇のある部屋へと向かう。
そこには空になったお供え物のご飯の器が残されていた。
「あら…」そう言って微笑む母親の姿を、一人の霊体が見守っていた。
「今日はたまたま気が向いただけなんだから。」
玲韻はそう誰にともなく言い放つと、その場を後にした。
そうして玲韻は青里と共に、今日もサイゴノセンタクとしての活動に戻るのだった。