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生け花教室と空手教室

私、素焼豆子(もとやきまめこ)は、米の袋に段ボールを入れてそりを2つ作っている。幼稚園で使う春花と春乃用だ。

幼稚園のグラウンドに大きな山がある。そこからそりとして滑って遊ぶ為に作ってくださいと幼稚園からお便りをもらったのだ。そのお便りに書いてあった米ぞりの作り方を見て作っている。

10㎏の米の袋2つをからにするのが大変だった。


春花と春乃はつなぎのスノージャンバーを着て毛糸の帽子をかぶって、スノー手袋をはいて、スノー用の冬靴をはいて、かわいい子供用スコップをそれぞれ持って、玄関で支度をしていた。

私もジャンバーを着て家を出た。3人で家の前で雪かきをする。小さい雪だるまを作って玄関先に置いたりした。

雪かきで積んだ玄関前の雪山に少しだけスコップで穴をあけてかまくらを作ってみた。春花と春乃はすぐにかまくらに入った。2人は大喜びだ。

1月の末。今の外の空気は1年のうちで最も冷たく寒い時期で、簡単に雪山の雪は溶けない気温だ。だが、子供達が雪の事故にあわないように常に子供達から目を離せない。

皆で家の前で雪かきや雪遊びをした。

ナッツさんは寝ていた。日曜日で仕事が休日なのだ。


実は最近子供達に習い事をさせたくて、色々習い事を見学している。

それで、春花は生け花教室、春乃は空手教室をすることになった。

お友達の秀紀君が土曜の昼に空手教室に通っていて、同じ時間の同じ会館でこども生け花教室もやっていて、生け花教室の見学に行こうとしたが、春乃が空手をしたい、と言い出したのだ。生け花はどちらかというと春花がノリノリだった。

だから、2人にそれぞれ習い事をさせることにした。


おもちゃスキー板みたいな、ホームセンター等で売っている幼児用スキーを2つ買い、近所の公園で遊ばせた。飽きたら、荷物などを乗せる為に(大雪の時、たまに新聞配達で使ったりもする)買ったそりで、公園の雪山から滑って遊んだりもした。


幼稚園の行事で、節分の豆まきがあったようで、鬼に扮した大人が幼稚園の子供達を怖がらせた。

園児はその鬼に豆をぶつけて「鬼は外。福は内。」とする。子供達は幼稚園の豆まきの様子を興奮気味に私やナッツさんに聞かせてくれる。


ナッツさんが休み時に雪まつりに連れていってくれた。

家族4人で雪像を見て楽しんだ。


3月3日のひな祭りには、それぞれ、ぬいぐるみがお雛様になっているものを購入した。人形だと春乃が怖がるので。春花はうさぎのぬいぐるみのお雛様。春乃は猫のぬいぐるみのお雛様だ。


ちょうど春花と春乃を引き取って1年経ち、3月27日になった。

スーパーで市販のスポンジケーキを買ってきて生クリームといちごと果物の缶詰めも買い、手作りをした。2人の6歳の誕生日だ。

「お誕生日おめでとう!」4人で楽しく過ごした。



更に19年経ち、その間ナッツさんと一緒に子育てをして、子育てバイト、模擬家族、模擬結婚の約束から、ちょうど20年経った。この間あっという間だった。色々あったし大変だったが楽しかった。今日は春花と春乃の25歳の誕生日だ。

私は51歳になっていた。

春花は、新矢の勤める花屋で働いていた。新矢の22歳の息子にプロポーズされたが、春花は幼い頃からの決められた婚約者がいるからと断ったようだった。

春乃は、空手を極めて、でも、漫画も趣味で描いているようだ。雑誌社に投稿も何回かしたようだが賞をとるのは、なかなか難しいようだ。仕事は、ナッツさんの紹介で18歳から何やら宇宙関連のボディーガードの仕事をしているようだ。

二人の友人の秀紀君はサンタクロースの助手の仕事をしている。普段はユーチューバーだ。

春花は仕事を昨日で辞めてきた。春乃は引き続き続けているようだった。

一人暮らしなどはせず、ここの家から仕事に行っていた。

6歳の誕生日の時、将来の2人の決められている運命を話して聞かせた。その後も何回かは成長に合わせて少しずつ話していき、分かってもらったのだ。

春花は婚約者の対のあいてのいる人形の館へ、春乃はクローンの研究所へ行くことになる。

正直寂しいし、つらいが、ナッツさんと一緒に行って子供達が最後まで幸せなのか見極めてこようと思ってる。

私も昨日引っ越すといって、長年続けた新聞配達を辞めてきた。ちょうど20年位続けられたと思う。

ナッツさんも豆の工場はパートから勤めて今は正社員だ。ナッツさんも仕事を退職している。


25歳の誕生日は皆で回転寿司に行った。4人で沢山寿司を食べ、家に帰って私の、スーパーで買った市販のスポンジケーキに生クリームと果物を入れて作った果物ケーキを食べた。


ところで、ナッツさんが、春乃のクローンを1人連れてきた。25ばんという名前らしかった。それで、春乃のクローン25ばんと、春乃と3人で夜中に出掛けていき、ナッツさんと春乃の2人でかえってきた。


どうやら、春乃は最近芸能界デビューのスカウトを受けたようだが、春乃はナッツさんと相談し、ナッツさんがクローン研究室に相談したところ、1人、名前も決められていないで25歳まで成長した25番がいて、だまっていれば、本物のある小国の姫の臓器移植などで殺されてしまう寸前だったその娘を春乃になりすまさせて、芸能界デビューさせることにしたのだった。

漫画も描けないし、空手もできないロングヘアーのクローン25ばんだったが、美容室で春乃と同じ髪型にして、春乃になりすますことができた。

当の春乃は、今は小国の姫の影武者件ボディーガードとして暮らしている。

春花は、やっと対だった婚約者の男の子と再会して、そのまま結婚して、人形の世界で平和に暮らしている。

ちなみに対の男の子であるが、25歳まで、男ばかりの職場で、ひたすら研究職をこなしながら生活していたようだ。(18歳過ぎてから地球にきていたようだ。春花と同じようにプロポーズされたりしたこともあるようだが、婚約者がいるからと断ったようだった。)


私は、今はナッツさんと一緒に宇宙関連の仕事をして日々生活している。

ナッツさんと一緒にいられるのがとにかく嬉しいのだ。

























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