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昨日は忙しくて投稿ができませんでした……。すみません。

「フィニ、そしてヴィエラもよく来たな。先に始めてしまっているが料理はまだ手がついていない状態だぞ。流石に第三軍の長の言葉がないのに始めるのはどうかと思ったのでな」


「そういうところはまだ理性が残っていたんだ」


「失礼な奴だな!私だって理性は保っている。けど食欲はもう我慢できない!ヴィエラ、さっさと祝勝会を始めてくれないか?」


「そういうところが理性がないって言っているんだ……」

 

 小さな声で言ったため他の雑音で掻き消され、私の言葉がメモリアに届くことはなかったようだ。


「わかった。みんな注ー目!」


 主様の掛け声で森厳騎士団、死霊騎士、暗殺者全員が主様の方を見る。そして主様の手にはお酒の入ったグラスがあった。


「とりあえず今日の戦、お疲れ様でした!多くは語りません。自分への祝いとして、乾杯!」


「「「乾杯!!!」」」


 主様はそれをいうとグラスに入っていたお酒をグビっとひと仰ぎ。主様がお酒を飲んでいるところなんて見たことがないが大丈夫なのだろうか?


「ちょ、主様大丈夫ですか?」


「んー大丈夫」


 明らかにいつもより呂律が回っていない。


「主様はお酒に強い方ですか?」


「んーわかんない」


「わかんないって、どういうことですか?」


「だって飲んだことないんだもん。生まれてこの方一度も。だからお酒に強いか弱いかなんて………」


「主様⁈」


 まだ喋る途中だったのにも関わらずバタンと倒れて寝てしまった。


「…主様にお酒は飲ませないでおこう」


 私は寝てしまった主様を抱き抱えながら肝に銘じたのだった。



※※※



「あれ、ヴィエラは寝てしまったのか?」


「そうみたい。どうやらお酒を飲むのは初めてだったらしくて。初めてなのになんでグラス一杯を一気飲みするんですかね?」


「分からん。でもせっかくの祝勝会だし酒を交わしつつヴィエラと話したかったんだがな」


 がっくりと肩を落とすメモリア。


「私はどっちでも良かったけど……いつもみたいに私と話す?」


「それはそれで悪くないかもな。おい!ここに2本、酒を用意しろ!」


 メモリアがそう指示する本当に酒が回ってきた。


「そういえばメモリアって酔うと命令口調が厳しくなるっけ……」


 メモリアの家にて2人深夜まで飲み続けると、どこからか私が料理を配膳する流れになる。ほんっとうにどこからこの流れが出てくるか分からないんだけどね?そのときの命令口調が今も出ている。これで部下がいいのなら私はそれで良いのだけれど…。


「あ?今なんか言ったか?」


「何も言ってないよ。とりあえず座ろう」


 3人分の席、私とメモリアと寝ている主様で着く。主様は机に突っ伏して寝ているから一旦放置して良さそう。


「メモリアは今日何してた?」


「お前たちが出陣してからか?そりゃあ部下からの報告を聞きつつ戦況を遠くから見守っていたさ。本陣からは正門と左右の城壁全てが見えたからな」


 それは良かった。実は本陣の位置が昨日よりもタールウェグ寄りになっているのだ。これは私の進言なのだが、昨日の本陣の位置だといまいち木に邪魔されて視界が悪かったのだ。昨日までは森に身を隠してアンドレ王国軍が侵攻していることを敵に悟られないようにしていた。だからこそ木に視界を遮ってもらっていたのだが、今日は違う。


 戦況を見通すための本陣、なのに視界が悪かったら話にならないので位置を変えたのだ。


「その上でいうがお前の活躍は飛び抜けていたぞ」


「そう?」


「当たり前だ。森厳騎士団が正門に突っ走ったあと、第三軍が本陣右から後を追うように出発して行った。そこまでは分かる。分かるんだが……お前、第三軍の味方を置いてけぼりにして城壁へ向かっただろ?」


「だって味方邪魔だし。あとで追いつくならいいかなって」


「…まあそうか。お前ならそうなるよな…。結果的に単独突破して正門爆破してるもんなぁ……。だが!私はまだ言いたいことがある!」


「なに」


「私はフィニによって正門が開けられたことを見て、この本陣にいた残りの者たちを率いて同じく正門の方に向かった。けどなあ、私が正門に行ったときお前は何をしていた?」


「何をしていたって、メモリアが来たタイミングがわかんないから答えられない」


「そうか。じゃあ私が答えを言ってやる。お前は城を登っていたんだ。私は私の目を疑ったよ!親友がすごいことは重々承知していた。けど城を登れるなんて聞いてないぞ!」


「そりゃあ言ってないからね。しかも身体能力的に登れるかも、って思って登ったからただの行き当たりの博打」


「でも驚いたよ、お前の胆力と運動能力には。隣にいたユリにも確認して幻覚じゃないことを確かめたほどだからな」


「そう」


「そして帰ってきたらなに呑気に『そっちはどう?』だ!何言ってんだお前、馬鹿か!」


「なんでそんなに怒ってるの。けど心配してくれてたならありがとうね。嬉しいよ」


「う…うん」


 図星だったみたい。そしていきなり私に嬉しいなんて言われたから顔を真っ赤にしている。可愛い奴だ。言い換えればからかいようがあるとも言うが。


 このまま攻めてみるか。


「メモリアは、私のこと心配して怒ってくれたんだ?嬉しいなー、そういうメモリアの心遣い。優しさが溢れてて私は好きだよ?」


「うッ!」


 バタン。


 あれ。昇天しちゃった?


「ちょ、メモリア!」


「可愛すぎる…」


 そんなこと言っていたが今はどうでもいい。これでメモリアと主様の2人共がダウンしたことになる。それは非常にまずい。別に何か問題が起こるとかではないが体裁的にまずい。


「起きてよ!この馬鹿エルフ」


 でもこれはやりすぎた私が悪いともいうか…。だからこそ今頑張って心肺蘇生をしている。


「はぁぁあ!」


 何回か胸骨圧迫をしていると、いきなりメモリアが大きく息を吸い込みながら起き上がった。


「大丈夫?」


「あ、ああ。それよりここは?」


「祝勝会の場。さっきまで何があったか覚えてる?」


「…いや、イマイチだ。お前と戦場でのことを話しているまでは覚えているんだが…何があったんだ?」


「いや、いい……」


 思い出させても得がないから秘匿する。



「それよりメモリアはご飯食べたらもう寝な。疲れてるだろうし、さっき倒れたのも案外疲労からくるものかもしれないよ?」


「わ、わかった。フィニがそんなに言うなら自分のテントに戻らせてもらうか。ユリ!いるか?」


「います」


「よかった。私はテントに入ってもう寝る。申し訳ないが後片付けは任せてもいいか?」


「わかりました。お疲れ様です」


「ああ、フィニもな。ヴィエラにも起きたらお疲れと言っといてくれ」


「了解。おやすみ」


 そう言ってメモリアは早々に退場していった。時間にして1時間ほど。たぶんこの宴は4時間ほどやるから前半での退場だ。かと言って私も寝たいんだよな。でもユリさんに全部任せて逃げるのも申し訳ないし。


「あ、それよりも主様を起こさないと」


 主様の背中に手をあてて大きくさする。


「主様、起きてください。寝るならテントにしますから」


「え〜、私まだここにいる」


「ダメです」


「なんでよー。ちょっとくらいいいじゃん」


 あかん。完全に酔っぱらってる。


「どいつもこいつもすぐ潰れちゃうな…」


 メモリアはちょっと特殊な気がしなくもないが。


「<治癒>(ヒール)。どうですか?少しはアルコールが抜けたはずですが」


「うん……意識が戻った気がする。けどまだ眠い…」


「ではテントに行きますよ。ほら、私の背中に乗ってください」


「ごめんね」


 そういいつつ主様は私の背中に乗っておんぶされた。


「ユリさん、すみませんが後は頼みました。後でメモリアは私がぶっ飛ばしておきますので」


「は、はい。お疲れ様でした」


「お疲れ様です」


 そう言って私と主様は宴から早々に退場していった。



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