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茶色転生 〜インパクト最強の異形精霊はクールに無双したい〜  作者: 花祭きのこ
第一章 出撃準備編
5/72

005 止まらない成長

ここまで読んで下さってありがとうございます!

細々と楽しんで書いてますが、正直な評価やコメントなんかもらえたら私、嬉しくなります。どうぞよろしくお願いします。

「あ、あの…一年前にいらっしゃった小精霊様…です…よね?」



小刻みに震えながら聞いてくるのは、1年ぶりにやって来たペペ氏である。




『そうだけど…。えっ?どうしたの?

そんなに変わってないでしょ?やめてよもう!俺の心は傷つきやすい少年の心なんだからねっ!』


と、早口でごまかしてみるものの、明らかにペペ氏は青ざめているご様子。


いやー、やり過ぎたって思っちゃいるんだけど、思ったより行けちゃったんだよなぁ。最後の方、ちょっとビビって吸収控えてたけど。



ペペ氏に引かれるのは分かっていた。だって魔力3000超えてるし、明らかにビッグダディになってるもん。


しかし、何か言われる前に聞いておかねばならないことがあるのだ。



『ところでペペ氏。つかぬことを聞くが、魔力の最大値、または許容量って存在する?あと魔力吸収しすぎると何かヤバいとか…そんな事ってある?』


そう、どこまで吸収していいのか。吸収し過ぎた時のデメリットなどを聞いておきたかったのだ。



「え、ええと、正直分からないです。みなさん大体成長速度は同じですし、自己申告ですけど魔力が2000超えたら進化の儀に臨まれますし…」


うむむ、何とも期待外れなお答え。


「あ、あの、これは聞いた話なんですが、小精霊様の時に魔力の最大値が決まるらしいです。そ、そして進化する度に魔力値が倍になっていくとか…。で、ですのでここで魔力量を増やすのは、良いことだとは思います」


おお、なるほど!

つまりはアレか、ここで限界まで魔力を貯めればその後に無双が待っているってことだな。これは良いことを聞いた。

じゃあ皆ここでもっと魔力貯めればいいじゃんってペペ氏に言ったら、早く戦力が欲しいのでそんなに待っていられないって言われた。なるほどね。


よし、決めた。俺は決めたぞ。

多少のリスクはあるかもしれんが、限界まで…体がぶっ壊れる寸前までここで魔素を吸ってやる。

そして最強のカッコいい大精霊になってやるのだ!みなぎってきたああー!


「あ、あの、でも明らかにお体成長してますし、やり過ぎは良くないのでは…」


『ありがとう、ペペ氏。ではまた一年後に会おう』


「えっ、ちょっ、もう魔力は十分貯まってるんじゃ…」


『………』


「あ、あの、今の魔力値はおいくつで…」


『…………』



勝手に話を打ち切られ、おろおろするペペ氏。俺は絶対に動くまいという石のように固い意思を見せ、沈黙を続けた。そしてしばらく困っていたペペ氏は、やがて諦めて帰って行った。





そして一年後ーーー



ーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:ー

種族:小精霊(土)

魔力値:7182

マナ値:ー

スキル:土生成、言語、異界神の加護


ーーーーーーーーーーーーーーーーー



順調に魔力値は伸びている。

順調だ、実に順調なのだが…



「あ、あの…どうみてもおかしいですよ、それ…。ど、どうなってるんですか?その体…」



俺の体は大分変わっていた。


ひょうたんっていうか、雪だるまっていうか…

でかい玉の上に少し小さい玉が乗ってるみたいな形になっていたのだ。



『いやぁ…自分もオシャレとかしたい年頃なんで。あ、あんまり見た目を否定するのやめてもらえます?この時期って繊細なんですよ。誹謗中傷はホントやめて下さいね』



ここでやめる訳にはいかないのだ。

まだ…まだ体は耐えられる!それならばここで立ち止まる理由はないのだ!



「え、ちょ、なんかキモッ…。、ちょ、ちょっと本当に魔力値教えて下さいって!な、なんかそれ絶対まずいですよ!」



食い下がってくるペペ氏には悪いが、ここは心を鬼にしてスルーさせてもらおう。



『悪いがペペ氏、今回はここで失礼!また会おう!』


と言い放ち、ペペ氏の隙をついてスイーと地面の上を並行移動して去っていく俺。

この移動方法は二ヶ月前、魔力操作の練習をした時に出来るようになったのだ。



「う、うっわぁ、キモッ……」



ペペ氏よ、大丈夫だ。俺も同じことを思っているよ。


ペペ氏は諦め、並行移動して逃げていく雪だるま型の俺を黙って見送るのだった。




そして更に一年の月日が流れたーー





ーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:ー

種族:小精霊(土)

魔力値:10773

マナ値:ー

スキル:土生成、言語、異界神の加護


ーーーーーーーーーーーーーーーーー




ついに一万越えの大台である。まさに頭がおかし数値といえよう。

そして、さすがに体に限界を感じる。内側がパンッパンに張っており、今にも何かが溢れ出しそうだ。



「あ、あわわわ……」ガクガク



そしてぺぺ氏もいらっしゃいましたか。

この体を見てはさすがに声も出ないご様子。だってすごいことになってるもん。



俺の体は何かの到達点にいた。


大きな玉の上に中くらいの玉。そしてその上にやや小さめの玉が乗り、全体的に少し潰した感じになっている。

分かりやすく言うと鏡もちのようで…。

もっと平たく言えば、でっけぇウンコだ。


そのでっけぇウンコが破裂寸前って感じでいるんだから、そりゃもうたまんねぇよな。

分かる、分かるよペペ氏の気持ち。



そして俺は、驚き過ぎて一言も発さないペペ氏にこう告げるのだ。


『俺、やっと魔力値2000超えたよ!』


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[一言] 今にもはちきれんばかりのデカウンコ!?
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