表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/72

001 俺は死んだ

俺の名前は運野小太郎、32歳。田舎生まれの田舎育ちで、一応父の農業の手伝いをしている。趣味はラノベとアニメ、そして何といってもネトゲだ。

俺はそこらの廃人とは格が全く違う。世界的に有名なMMORPGのあのゲーム内において、『傭兵』の異名を持っている。

金さえ払えば俺は何だってする。不意打ち、闇討ち、罠、ネガキャン、裏切り、依頼された事は何でもやってきた。そして付けられた異名が『傭兵』だ。

まぁ悪評が凄すぎて「クソ傭兵」とか「ゲリ便傭兵」とか色々言われているが、鋼の心を持った俺には一切響かないのだ。

昔は名前のせいで「うんこ太郎」等とよくからかわれていたが、その経験が俺を強くしてくれたのだろう。



カチャカチャカチャ…(ッターン!)


「よし、これで任務完了っと…ふぅ、もうこんな時間か。そろそろ“我が最高なる畑”《マイサンクチュアリフィールド》に向かわねば」


時計を見ると朝の3時過ぎ。俺は毎日傭兵稼業をこなした後、この時間から畑へ仕事に行くのだ。ニートとは違うのだよニートとは。


その日は朝から小雨がポツポツと降ってた。俺はさして気にすることもなく、いつものようにジャガイモ畑へと向かった。

作業着の下にはもちろん、お気に入りの魔法少女キャラのプリントTシャツ。

俺はちょっとだけ身長が小さく横幅があるので、ピンク髪ツインテールの可愛いお顔が「ゆっくりしていってね」と言い出しそうなお顔になってしまう。が、これは仕方がないことなのだ。ああ、尊い。


車が何とか一台通れるほどのあぜ道を歩いていると、前方の地面に何かが落ちているのが見えた。


ふむ…あれは犬のフンだ。


「春雨や 濡れてしっとり おとしもの」


俺は即興で一句詠んでみせる。フフ…どんなものにも風情ってもんはあるもんだ。

俺はヒョイと軽やかにステップを踏み、おとしものを回避する。



スタスタ…


しばらく歩くと、またもや前方に何かが落ちているのが見えた。



むむ、あれはまたも犬のフンじゃあないか。


しかも今度はピラミッドのように高く、立体的に折り重なっているではないか。漫画みたいなアレ、初めて見たよ。

むむ…、あれは唐沢さんちのタカヒロの仕業だな。やけに大量のフンをすることで有名な犬なのだ。


俺は被弾すまいと、フワリと軽やかに回避した。

だが、着地音は「スタッ」ではなくーー


「うわあああぁーーっ!!」


グニュリという感覚を足裏に感じると同時に、俺はビチャーンと派手に転倒した。


「いたた…。ハッこれは…!」



そう、俺が踏んだのはフンだった。しかも牛のやつだ。

むむ、これは牛島さんとこのキャオルちゃんのフンに違いない。やけに薄くそして伸びのあるステルス形状が特徴なのだ。

そしてその踏みしだかれたうんこは、俺の背中から尻にかけてべったりと付着し、キラキラと星屑のように輝いていた。


「まったく…なんて日だ…!」


仰向けに倒れた俺は、腰と背中に痛みを覚えつつも、ゆっくりと頭を上げた。


ーそして俺の目に映ったのは、世紀末武装した軽トラの高速回転するトゲトゲタイヤだった。


こ、これは加澄さんちのケンシロウおじさんの軽トラ!

来たる世紀末に向けて着々と準備をしている、48歳フリーアルバイターの名物ガチ勢おじさんなのdーーーーグシャアアァ!!!






こうしてうんこを踏んで転んだ俺は、軽トラにヒャッハーされて死んだ。


ここまて読んで下さってありがとうございます!

初めての作品なので、割と好きにやらせてもらってます。一応最後までやる予定。

初日5話投稿、明日からの5日間は3話投稿になります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ