1話 主人公(美少女)に転生しました。
私は水谷友梨…いつもプログラミングという神道具に没頭している女子高校生だ…。正直毎日が夜更かしモードといっても過言ではないため。学校では眠すぎていつもこんな喋り方になってしまうのである…。だからいつからかわからないけど…私は生徒から陰キャ認定されているのだ…
「友梨!朝ごはん食べたの!?」
「うん。食べた食べた」
まあ嘘です。ほんとは自作ゲームに没頭してたんですよねー。
あー。遅刻するぅ~…今から走ったらギリ間に合うかな~。 今日こそ先生に怒られないようにしないと…あ~でも間に合わないかもしれない…
___________
よーし学校おわりっと。あー今日は結局間に合わなかったなぁ。めっちゃ怒られたけど眠すぎて正直なんも頭に入らなかった。とりあえず家に帰って次のゲーム作るか。
はぁ…はぁ…こっ…ここの角を曲がれば…家にッ…つく…
「うわっ!!」
「きゃあああああっ!!!!危ないッッッ!!」
え?
曲がり角を曲がった瞬間、何かが目の前に現れた。
それはビルのように大きくて__いや、大きく見えて___これトラックかな?あ、てことはこれ私死ぬな。冷静に考えている場合ではないが、なぜかいつもないぐらい冷静だったのだ。
___ドンッ!!!
いってぇ…あーあ、死ぬ前に友達とカラオケとか合コンとか行きたかったなぁ…
薄れゆく意識の中で、私は人の叫び声と痛々しい音を聞いた。
ふはっ!!あぁぁぁ。夢、か?いや髪長。勢いよく起き上がると…そこには宝箱のようなものがあった。自分は砂の上にいた。
「なんだこれ…」
もしかしてよくある転生ってやつ?自分の姿をその辺にあった池で見てみると…
そこにはカッコイイ系の美少女がいた!!
「ぎゃぁぁぁ!!」
うっそーん…めっちゃカッコイイし綺麗…目もきれいな黄緑色だし、髪もサラサラでアイボリーっぽい感じ。まあこれで分かったのは…
・私は死んで転生した
・私はめっちゃカッコよくて綺麗なモテるタイプに転生した
っていうことだなぁ。ん?でも…なんかこの人すっごい見たことある…?
あっ!!!!!!わかった!これ自作ゲーム「剣と魔法とその他諸々」の主人公アレクシアじゃん!
っていうか眠気吹っ飛んでる!!これで脱陰キャだあいッ!
ちなみにお金は日本と同じ感じで1リンと数えるぞ(豆知識)
ってこーとーはー?これコマンド使えるんじゃないの!?試しにコマンドをつぶやいてみる。すると…
ぱっぱら~
案の定最強アイテムが空からめちゃめちゃ降ってきた!「やったぜ!!」
まずステータス画面を開いてみる。うん、これは普通にあるみたいだね。そしてなんと、私のレベルは999!!! えっ、強くない?てか強すぎるって。こんなのその辺のモンスターだったらちょこっとこづけば消滅するレベルじゃないの?…ちょっと試してみよう。ワクワク。
「よっしゃ!モンスター狩りいくぞぉ!!」
「…」
強い。めちゃめちゃ強いわ。もうモンスターが叫ぶ暇もなかったでしょ今。何なのこの力!前世は体育の評価1だったのに!!
でも…この力は悪用しても面白くないなぁ~…私のやりたいことを思いっきりやりたいよう!!何が!何ができるんだ!?うむむむ…レストランをやるには料理スキルがちょっと心もとないし…できるかもしれないけど。あと私はもうちょっと人と関わりたい!こう…みんなとなかよくなるけど自分の強さを生かせる的な何か!何かない!?
ピコーン。
やっぱり私って天才だな!!迷える子羊達を強ーい私が助ける…
「『何でも屋』をやるぞぉぉぉ!」
いや待てよ、決めたにしてもお店がないと…とりあえず大きめのにぎやかなところを探してみよう!
マップを最後まで開放してっと!ピロン♪
うーん。とりあえず候補を出してみよう。
ユレンダー共和国の市場か。ここは商人がいっぱいいるからなぁ。
スイーツ商店街の一角もあったなぁ。でもここはお菓子だけしか売れない雰囲気だから駄目だな。
道の駅まうんてん…ここは目立たなすぎるし…どうしよう。
ん?ここだけマップが解放できてない…指でこすればいけるかな?
キュッキュ
う~んさすがに作者でも無理か。じゃあ…これでどうだッ!
『結界解除』
よーっし見えるようになった!えーと…「魔界と人間界の境界線」…?ああ…ここは…魔物たちと人間たちが交差するところか。人数は普通に考えれば倍になるよね。しかもここは広いし山も川もある。動物も結構いそうだなぁ。みんな魔物にビビッて商人はこないし。確かこの辺に大きな洞窟も作ったし…野菜とかもたくさん配置した気がするなぁ。待て待て最高の土地じゃないか。
「よし!ここに決まり!!」
急いで走っていき、さっき作ったばかりの看板に、「魔界と人間界を結ぶ何でも屋」と書いた。
そしてここで「元素入れ替え!」
ボンッ!
この元素入れ替えスキルを使うと…空気中の酸素、窒素、二酸化炭素を好きな元素に変えることができるのだ!これで十分すぎるぐらいの広さのお店ができた。
これで準備はOKだ!次は……お店をやる認証がいるなぁ。うーん。しょうがない。ちょっとあのバリ怖店員さんがいないか不安だけど…(誰が作ったのかな)
「冒険者ギルドに行くか。」
私はまたもや走り出した。
________
「すみませーん。お店を出す認証が欲しいんですけど。」
「あ、じゃあここの紙に詳細を書き込んでください。」
かきかき
店の名前〈魔界と人間界を結ぶ何でも屋〉
何をするか〈魔物と人間両方のお悩みを解決します!〉
利用料など〈一回300リン、他にも何かお野菜とか金属とかでも値にあっていればOKにします。〉
「……………はーい。OKです~。」
「え、けっこうあっさり。」なんということ。一発でOKをもらえた。普通こういう場合は確率にしてるから何回かしないといけないはずなのに!
「でもお客さん、すごいところを選びましたね。魔物と人間はあまりいい仲ではないですよ。」
知ってますよ。だって製作者だから。
「大丈夫です!そのぐらい承知の上で来たんですからね。」
「そうこなくっちゃ~。じゃ、ハンコ押しておきますね。」
よ~し!これで私のお店ライフが始まるぞ~!!
「あ、すみません。名前教えてください。」
「あ、はい。アレクシア・テルムといいます。」
「アレクシアさんですね。これから頑張ってくださいね。」
「はーいっ!」
こうして私は、念願の何でも屋を始めたのであった!