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やっぱり いなかった

しんしんと ゆきがふる。

つちのうえに ゆきがふる。

きぎのうえに ゆきがふる。


ほかには なにもきこえない。

ただしずかに ゆきがふる。




つちのしたには くまのこがいっぴき。

ねいきもたてずに まるまって

なんのゆめを みてるやら。




さわからちょろちょろ みずがとけだし

きぎのあいだに ひかりがさしこむ。

とけたゆきに ひかりがはんしゃし

きらきら きらきら

ちからづよくうまれる くさばなたち。




とおくでゴロゴロ かみなりのおとがひびき

くまのこはゆっくり

めをあける。


ああ、なんてことだ、

おきてしまった。


あんなに おいのりしたのに

おきてしまった。


ぼくは おきたくなかったのに。

ずっとずっと ふかいねむりのなかで。

このちいさな おへやのなかで。




くまのこは ねんのためにおへやをみまわす。

もしかしたら いるかもしれない。

「おはよう」って

やさしいかおでわらっているかあさんが。

エプロンをつけて たっているかもしれない。


そうしたら ぼくはとびおきて

あったかいかあさんのむねにとびこんでいく。




くらいおへやのなかに

かあさんは いなかった。

あったかいかあさんは いなかった。


くまのこは さっきよりうんとさびしくなって

まるまって また めをとじる。


ねむるまえ あんなにないたのに

また めからみずがながれてきた。


かあさん かあさん

どこに いったの?


かあさん かあさん

あいたいのに。


もう かおも だんだんと おもいだせない。




くまのこは おもいだす。

ふゆになるまえの あきのあのひ。

わがままを いったこと。


ともだちと きのみがりをしていて

どうしても かちたかったから

あかいろとむらさきいろの

きのみをねだったんだ。


にんげんの いえのにわでみつけた

あのきのみがほしいって。

そしたら いいこになってねむるからって

ぼくは かあさんにおねがいしたんだ。




いつも なかなかぼくがねむらないので

てをやいていたかあさんは

かたをすくめて こういった。


「やれやれしかたがない。

こんばん とりにいこうかねえ」



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