第1章~夏休みに兄貴の学生寮に行ってみた
あらすじと同じような内容になると思いますので、ここでは登場人物について書きたいと思います。
登場人物が、どの車のどこの席に座ったのかを把握しておくと、お話が入ってきやすいです。
①人物 ②愛称 ③役割 ④服装 ⑤顔立ち ⑥行動 ⑦その他 ⑧乗り込んだ車の席
登場人物
車1台目(往き)
①僕(当時大学1年生) ④Tシャツより襟つきシャツを好む ⑥夏休みの間に、弟と兄貴の短大の学生寮に行く ⑦そこであちこち連れて行ってもらうが…。この中で唯一霊感がある ⑧1台目の後部座席右側
①兄貴(当時短大2年生) ③1台目の運転者 ④古着を好む ⑥朝が弱くよく寝坊している ⑦実家と祖父母の家から、食料の仕送りがダブルで来るから食料は豊富だが、レトルト食品ばかりで本人は飽きている。月末が近くなると寮の仲間が食料を求めて兄貴の部屋にやってくる ⑧1台目の運転席
①静音さん ②し―ちゃん ④いつもスリムなジーパンをはいている ⑤口紅は真っ赤を好む。目が大きくて可愛らしい。⑦たまにナンパされるが、体格のいい寛斗君に守って欲しいと思っている ⑧1台目の後部座席中央
①日和さん ②ひよりん ④いつもブーツに合わせて服を選んでいる ⑤色白でナチュラルメイクを好む ⑦実家からの仕送りが遅れがちで、寮の仲間から食料を分けてもらっている(主に兄貴から)。静音さんと大の仲良し ⑧1台目の後部座席左側
①雅幸君 ③明るく気さくな人で、誰にでも好かれるので皆の相談役 ④服はいつもヨレヨレの物を着ている ⑦僕と弟もすぐに仲良くなった。心霊は何よりも苦手 ⑧1台目の助手席
車2台目(往き)
①徳和君 ③2台目の運転者 ⑤こんがりと日焼けしている ⑥心霊スポットに行こうと提案した人 ⑦授業には真面目に行っている。兄貴に食料をもらうと、お礼にノートを貸してくれる。兄貴と同じ高校の出身で一番の親友でもある ⑧2台目の運転席
①香緒里さん ②かおぽん ④服はワンピースを好む ⑤口紅はいつもブラウン系 ⑥普段は大人しいが怒ると怖い ⑦徳和君の彼女。徳和君と2人でいる時は嬉しそうな目をしている ⑧2台目の助手席
①寛斗君 ④アロハシャツとそれに合う服装を好む ⑤髪型は前髪をツンツン立てている ⑥歌とダンスが上手でモノマネも出来る ⑦学力はいい方で、1年でかなりの単位を取った。大柄だが気が小さい(怖いお兄さんに絡まれないかいつも心配している)。徳和君の親友 ⑧2台目の後部座席左側
学生寮にいた人
①山城さん ②学生寮の管理人 ④夏はずっとTシャツとジーパンとエプロン姿 ⑥何でも器用にこなし、学生寮の頼もしい存在。ジンギスカンの仕込みをするのが得意 ⑦学生寮の前の広い駐車場には、学生さんの家族なら誰でも車を停めさせてくれる。ただし門限には厳しい。
①弟(当時高校1年生) ④兄貴と同じような服装をするのが好き ⑥僕の弟で観光地には行くが心霊スポットには断固行かず ⑦高校生だからそれでもOKだったが、1人で兄貴の部屋で留守番する事になった。
今回のお話は、令和3年から29年前のものです。
1992年(平成4年)僕が19才の頃、1つ上の兄貴が北海道の美唄市にある短期大学に通っていた時の出来事です。
兄貴は、その短大の学生寮の2Fに住んでいました。
寮は学生本人しか入れないのですが、夏休み期間中は、家族の人が訪ねてきても大丈夫だったのです。
部屋は狭いですが、1日位なら泊まっていってもいいみたいでしたが、実際に泊まっていく人はほとんどいませんでした。
兄貴に、前々から、
「夏休みには北海道に来いよ。いろいろ案内してやるからさ~」
と、言われていたのですが、1年目は都合がつかずに行けませんでした。
2年目が最後なので、僕と弟は夏休みにを利用して兄貴のいる学生寮に行く事にしたのです。
8月の初旬に、3泊4日で、札幌のビジネスホテルに泊まりました。
1日目は、千歳空港から札幌のホテルに直行して、部屋に荷物を置いてから、旅行雑誌片手に市内観光をしてから、味噌ラーメンを食べたと思います。
確か、ラーメン横丁という、ラーメン屋が密集している所だったと思います。
定番の、ニッカウヰスキーの看板の前で写真を撮ると、この日は宿に戻って休みました。
2日目は、兄貴がいる学生寮に行く為に、早起きしました。
札幌駅から美唄駅までは、特急列車を使うと、確か…45分位だったと思います。
特急列車は別料金だから、勿論、速いは速いんですが、当時の座席はお世辞にも綺麗とは言えませんでした。
電車が美唄駅に着き、改札を出ようとすると、車掌さんが切符を回収に来ました。
美唄駅は無人駅だから、切符は車掌さんに直接渡し、そのまま改札に出るシステムでした。
改札を出ると、駅前に兄貴が車で迎えに来てくれました。
そこから、車に乗って兄貴の住んでいる短大の寮に直行しました。
寮の入り口で、管理人の山城さんに挨拶をして、手土産を渡した後に兄貴の部屋に向かいました。
部屋に着くと、段ボールに入った食料が積んでありました。
「何これ!計画的に食べないと凄い残るじゃん」
と、僕が言うと、
「大丈夫だよ、これがないと、寮の仲間が困るんだよ」
と、兄貴が言いました。
その数分後、
「何か食べ物な~い?」
と、言って、兄貴の部屋に入ってくる方がいました。
僕と弟が、
「えっ?」
って思い、その方を見ると、
「あれ?この2人が前に言ってた弟さん達ですか?」
「うん、そうだよ」
と、兄貴が言うと、
「どうも初めまして、静音です」
「初めまして、日和です。お兄さんにはお世話になってます」
僕と弟も、挨拶をすると、僕らが来た噂を聞いて、次々と兄貴の仲間が来ました。
「初めまして、雅幸です。よろしくね」
「徳和です。あっ、俺は初めてじゃないよな。2年前に実家で会ったよね」
「初めまして、寛斗です」
「私で最後ね、初めまして、香緒里です」
僕と弟は、再び挨拶をしました。
寮で帰省していない仲間達と、短時間で自己紹介を終えました。
その後、兄貴が、
「俺はこの後、弟を観光に連れて行くんで、また後でな」
と、言い、車のカギを手にしました。
寮から片道2時間弱かけて、富良野まで行ってくれました。
ラベンダーは刈り取られた後でしたが、途中で食べたソフトクリームが美味でした。
その日の夕方は、学生寮の前の広い駐車場で、管理人の山城さん主催で、ジンギスカンバーベキューをしました。
味付けがとてもおいしく、皆でガツガツ食べました。
僕と弟は、知り合ったばかりの兄貴の仲間達と楽しく過ごしましたが、食べ終わると札幌の宿に戻る為、兄貴に美唄駅まで車で送ってもらいました。
「なあ、明日は何時に来る?」
「札幌を昼頃に出てくるよ」
「それじゃ遅いだろ!」
「分かったよ、じゃあ朝9時にはここに来るよ」
「了解、明日はまた違う所に行くんで、お楽しみな」
と、言うと、兄貴は車に乗り込み寮に戻って行きました。
僕と弟は、美唄駅の券売機で切符を買い、無人の改札を通って、特急列車に乗り込みました。
「あ~今日はいろんな人と一気に会ったから疲れたな…」
札幌駅に着くと、人が多く有人改札だったのが、何となくホッとした記憶があります。