艦内ベビーブーム
地球儀を見ながら、空いてそうな土地を探す。ちっちゃい島でいいのに、誰かくれないかな。
ベッドの上でゴロンと地球儀を投げ捨てる。何処に行っても文句言われるもんな…。
「茜様の番ですよ?」
そう叶ちゃんと桜ちゃん、藤本くんで七並べをやっていたんだ。6を全キープしていたのだが、いよいよダイアの6を出す時がきた!!
ほのぼのとトランプで遊んでいると、叶ちゃんが、「あの…茜様…私も赤ちゃんできました」としれっと報告してきた。
「え? 誰の?」と冗談で聞いたら、桜ちゃんから、久しぶりにマジ蹴りされました。
「痛いです! そんな大きなお腹なんですから、もっと自分を大切に!!」と批難する。
「茜様…私、藤本くん以外としてことないですよ」と叶ちゃんがマジレス。
「知ってますか? 元SPの芽衣さん、エレンさん、七海さんも、彼氏ができたという噂です」
「この狭い船内で? どういうことですか!! 恋愛禁止にするべきか…」と真剣に悩む。
「それはやめてあげて…」叶ちゃんが恋愛組代表として懇願する。
でも恋愛も結婚も、この戦艦には、そんなルールも法律もありませんから…。
「そろそろねるねーっ」と桜ちゃんが帰ると、藤本くん、叶ちゃんも退室していった。
私はベッドに入り目を閉じる。
”お師匠様…。誰の子が欲しいですか? 一応聞きますけど…”
”馬鹿か! そんなの茜の好きにしろ!!”
”でも、子宮も卵巣もお師匠様のですよ? 一緒に考えてください。あっ! お師匠様って、処女のまま、死んじゃいましたね!!”
子宮をぐりぐりと鷲掴みにされる!! 痛いです!! やめてください!! って、そこお師匠様の部位じゃないですか!! 自爆ですよ!! ああっぁぁぁぁああ!! ご、ごめんさなさい…。
”まったく…。いいか、お前の好きにしろ。お前が良ければなんでもいい”
はぁ〜い。と返事をして眠りにつこうとしたとき…七海ちゃんが言った。
”茜様? お願いがあります。 将くんと、涼くんを殺してください”
”えっ!? 何で?”
”将くんが、あの状態でいることは茜様にとっても良くありません。そして涼くんも…あの姿を見るのはもう辛いのです。二人をこの世の理から、解放して頂けませんか?”
”この世の理を理解する七海ちゃんなら、そのように思えるのはわかるけど、私は…まだ世界を諦めていないの…もう少しだけ…待ってもらえないかな?”
”わかりました。茜様ならば、そのようにお答えすると思ってましたから。ただ私の気持ちを…知って欲しかっただけです”
”ねぇ? 涼くんの赤ちゃんを身籠ったら…七海ちゃんは嫌?”