反撃には死を!!
「馬鹿なことを…」涙を袖で拭き取り、茜は立つ。
今度はお師匠様の力を使わずに、自らの魔力と魔法を使う。
「”死門・輪廻”」
洗練され圧縮された魔力がドクロの杖に集まる。その魔力を空中に展開すると和風の門が出現する。
ガラガラガラと、門が開き、無数の触手が飛び出してきた。
飛来する大陸間弾道ミサイルを優しく包み込むと、門の中に引きずり込んだ。
「ねぇ、複数って何発? あぁ…聞こえないか…」
ゼスチャーで合図を送るが、”何?” ”疲れたの?” ”夕食はハンバーグ!!” ”鳥のまね?”とか、誰も当ててくれない。てか、今、ミサイルの話だよね? ハンバーグって…。
むぅ…と、ほっぺたを膨らませて、門を閉じる。もう知らない。あとは結界に任せよう。
その日、アメメカ、厨国、イギリスの各主要都市の上空に和風の門が出現すると、大陸間弾道ミサイルが、撃ち込まれたのであった。
***** ***** ***** ***** *****
「わっははっはっ!! 流石はディアボロス様!! 魂が、魂が、雨のように降り注ぐ!!」
拷問王カラミティの狂喜に、他の暗黒六芒星は、うっさい!! と突っ込む。
「あの力!! 完全に覚醒されたのですね!! しかし…なぜ、我らに命令なさらぬのだ? 人類を抹殺せよと…」
拷問王カラミティは首を傾げる。
***** ***** ***** ***** *****
茜は自室に戻ると、将くんが遊びに来ていることに気が付いた。
「アハハ、アカネ、ゲンキ? オレ、ヒマ、アソベ!!」
将くんは服を脱ぎ裸になると、私と同じ、継ぎ接ぎだらけの体で、抱きつく。
将くんは、あの日、心が壊れて…自殺してしまったのだ。桜の絨毯から飛び降りて…。
それを私は許せなかった。自分だけ楽になるなんて…。だから…意地悪で…ゾンビにしちゃったの。
体は治っても、心までは治せなかった。
「うん。いいよ。何して遊ぶ?」
「トランプ!!」
おい、裸でトランプとか…。こっちは期待しちゃったじゃないの!!
何も悩まない将くんが羨ましいな。
そんな二人を監視カメラは…、艦橋内の全員が黙って見ていた…。茜も自責の念に駆られ、命を断ってしまうのではないかと…。そして誰かが泣き始めると、全員に感染してしまった。