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殺戮者であっても

茜は第三主砲の上に立ち「お師匠様…お力をお貸しください」と呟く。


自身の子宮があるであろう位置に魔女っ子ローブの上から手を添える。


子宮が疼く…お師匠様の声が頭に響く…。


”茜よ、辛い役目を押し付けてすまぬな…。だが世界のためだ…”


「わかってますよ、お師匠様…。いきますよ!!」


茜は自身の知る全ての結界を己にかける。それは戦艦を南半球を地球を銀河系を破壊しないためだ。


体内の魔力が加速する。真っ白な肌に血管が浮き上がる。


事前に溜めた第三主砲の魔力に、金剛寺茜の魔力をブレンドする。左手に持つドクロの眼は赤く光、これから怒る破壊の予兆を感じて喜んでいた。


茜は右手を上げる。


「第三主砲充電完了。誘導魔法陣完了済みです。いつでもいけます!」


「第三主砲、目標、マデラン海峡に展開するアメメカ海軍。撃って!!!」


3連砲塔から強力な魔力エネルギーが放出される。それは美しい死神の光だった。


***** ***** ***** ***** ***** 


日本国・魔法防衛司令室で茜の放った魔法をモニターで見る美羽。


「これは? 例の第三主砲?」見たことがない魔法だった。


1分12秒後、マデラン海峡上空で、そのレーザーにも似た光は、回転を始め巨大な魔法陣を空中に描く。監視衛星から見れば、直径50kmの巨大な魔法陣だった。


美羽は頭が真っ白になる。茜の魔法が想像を遥かに超えていたからだ。もはや人間ではない…。


上空の魔法陣から、巨大な球が召喚されると、ポトリとマデラン海峡に堕ちる。


一瞬にして艦隊は消滅した。それはマグマの塊であったのだ。マグマの塊が艦隊を飲み込んだのである。さらに海水にマグマが触れると水蒸気爆破を伴い核爆弾など玩具に思えるような威力は、マデラン海峡の形を簡単に変えてしまった。そして最後に爆風と巨大な津波が辺り一帯を完全に飲み込んだ。


爆心地から半径100km以内に生物の反応はなかった。


(やりすぎよ…茜ちゃん、これじゃ、ただの殺戮者じゃない…)


***** ***** ***** ***** ***** 


茜は第三主砲の上にペコリと座り込む。


”暗黒六芒星・拷問王カラミティよ、魂を回収しなさい。海軍のみ拷問を許します。残りは、魔法の要に…”


どれだけの人が死んだのだろうか? 海軍が街の近くにいなければいいな。今更思った。


艦内放送:”複数の大陸間弾道ミサイルを計測! 茜、至急、結界を!!”


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