魔女狩り
世界に魔法は必要か? 世界に魔法使い・魔女は必要か? 世界に魔力は…。
古の宗教や信仰を命よりも思いと掲げる人々と、魔力は不要であり科学こそ平等と平和をもたらすと考える人々が、各国で争いを始める。
そんな世界情勢の中、アメメカ合衆国・ルイジアロ州のキューオーリンズ付近から、救援要請が超魔導級戦艦大和に届く。
「茜様、いかがなさいますか?」
「現在、南太平洋だよね? マデラン海峡を抜けブラジレ側を北上し、カリプ海経由でメカシコ湾に行けばいい?」
「はい。いくつかの国から攻撃を受ける可能性がありますが?」
「構いません。超魔導級戦艦大和の力を見せつけてあげましょう」
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「現在、アルゼンティン・ホエゴ島の西600kmです。どうしますか? 本当にマデラン海峡を抜けますか? 正直、フェゴ島の南を抜けても、それほど時間は変わらないと思いますが?」
副長である柴田さんが、艦長であるマイケルに問いかけると、航海長の可馨ちゃんが、流暢な日本語で会話に参加する。
「中国海軍艦隊が、マデラン海峡を抜けたと記録がありますね」
「友軍からの情報に寄れば、マデラン海峡に各国から軍艦が召集されているようです」
どうすんだとばかりに、艦橋内の船員がこっちをみる。
「こっちみんな!! 人殺しは覚悟の上です。軍人ならば尚更、いくよマデラン海峡!」
「「「は〜い」」」とやる気なさそうな、艦長以下同様。
「よっし! 景気づけに、マデラン海峡へ行くから、1時間以内に、退けと各国に通知して!」
「退かない場合は?」と柴田さんが困った顔で言った。
「ふふ〜ん。 第三主砲の”審判の創生”を初公開なのだ!」
「おい…。戦争する気まんまんじゃねーかよ…」あら? 日本語お上手ですねマイケルさん。
「というわけで、よろしくね。艦長!」
超魔導級戦艦大和は進路をマデラン海峡に取り、第三主砲に魔力の充填を開始する。各国の監視衛星にも進路と充填に関して解析されいた。そこに茜からの通知があり、各国は10分程度で、開戦の有無を決断しなければならなくなった。
日本国・魔法防衛特務長官の美羽は、各国の返答を待っていた。
「いよいよね…。茜」
結局、1時間経った後にマデラン海峡に残ったのは、アメメカ海軍のみ。
戦力は、原子力空母メミッツ級1隻、護衛空母チョージャー級2隻、軽巡洋艦オハロ級2隻、重巡洋艦ペーランド級1隻、原子力ミサイル巡洋艦ボインブリッジ1隻だ。




