新しい魔法書
「さてと、もう一つ。師弟の契約を解除しましょう」
「えっ!? お姉さん…良いのですか? その契約がなければ…」
「私を殺せるって? いいのよ。そうしても…」
私とお姉さんとSPたちに、何とも言えない空気が流れた…。
「覚えるかしら? まず、ピースでVサイン。左右の人差し指を軽く付けて、そして左右の中指を私と付けて…十字手裏剣にして…。私の後に続けて唱えてね」
”血より濃く、命の絆を、ここに破らん”
”血より濃く、命の絆を、ここに破らん”
十字手裏剣から、青色の光が溢れ出て、契約が解除された。
私はお姉さんに抱きつく。
「やっぱり、やだよぉ…。助けて…お姉さん…」
抱きつく私の肩を、押し返すとお姉さんは冷たく言った。
「もう無理よ。茜ちゃん、いえ、一条 茜よ。互いは違う道を歩み始めた。これより先…交わるとすれば、戦いのときのみ…」
踵を返したお姉さんの後ろ姿が消えるまで、また振り返ってくれると信じて…。でも振り返ること無くお姉さんの姿は消え去った。
数年ぶりにパルテノン神殿風の建物内に入り、噴水から一冊の本を手にした。
私はこの一冊を手に入れるため、日本全国民を人質に取ったのだ。私が手に取ると条件を満たす他の魔法使いと魔女もそれに続いた。
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自室のベッドで本を片手に寝転がる。どうして平和的な本じゃないのだろうか…。
”天災の魔法書”と書かれた本をお腹の上に乗せ、ゆっくりと目を閉じる。
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「ねぇ。茜ちゃん。今日、エオンに行かない?」
「うんっ! 行こう! 私ね、丁度、あのノート欲しかったんだ…」
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「茜…。お前は…生き延びろ…。私の代わりに…世界の全てを…」
「茜ちゃん…。痛いよ…。助けて…」
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「これが最後の忠告よ。もう、昔のことは忘れなさい」
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