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新しい魔法書

「さてと、もう一つ。師弟の契約を解除しましょう」


「えっ!? お姉さん…良いのですか? その契約がなければ…」


「私を殺せるって? いいのよ。そうしても…」


私とお姉さんとSPたちに、何とも言えない空気が流れた…。


「覚えるかしら? まず、ピースでVサイン。左右の人差し指を軽く付けて、そして左右の中指を私と付けて…十字手裏剣にして…。私の後に続けて唱えてね」


”血より濃く、命の絆を、ここに破らん”


”血より濃く、命の絆を、ここに破らん”


十字手裏剣から、青色の光が溢れ出て、契約が解除された。


私はお姉さんに抱きつく。


「やっぱり、やだよぉ…。助けて…お姉さん…」


抱きつく私の肩を、押し返すとお姉さんは冷たく言った。


「もう無理よ。茜ちゃん、いえ、一条 茜よ。互いは違う道を歩み始めた。これより先…交わるとすれば、戦いのときのみ…」


踵を返したお姉さんの後ろ姿が消えるまで、また振り返ってくれると信じて…。でも振り返ること無くお姉さんの姿は消え去った。


数年ぶりにパルテノン神殿風の建物内に入り、噴水から一冊の本を手にした。


私はこの一冊を手に入れるため、日本全国民を人質に取ったのだ。私が手に取ると条件を満たす他の魔法使いと魔女もそれに続いた。


***** ***** ***** ***** ***** 


自室のベッドで本を片手に寝転がる。どうして平和的な本じゃないのだろうか…。


”天災の魔法書”と書かれた本をお腹の上に乗せ、ゆっくりと目を閉じる。


##### ##### ##### ##### ##### 


「ねぇ。茜ちゃん。今日、エオンに行かない?」


「うんっ! 行こう! 私ね、丁度、あのノート欲しかったんだ…」


##### ##### ##### ##### ##### 


「茜…。お前は…生き延びろ…。私の代わりに…世界の全てを…」


「茜ちゃん…。痛いよ…。助けて…」


##### ##### ##### ##### ##### 


「これが最後の忠告よ。もう、昔のことは忘れなさい」


##### ##### ##### ##### ##### 


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