再会
この話から、なんと第二章です!!
13歳から一気に16歳の話に。章内で過去編も考えておりますが、だって何が何だかわからないでしょ?
へへへっ…。筆者もわかってません。後で、こじつけまくります。
超魔導級戦艦大和の甲板にて、16歳になった一条 茜は空を見上げる。
人間の魂と呪血で構成される魔女っ子ローブは、禍々しくも美しくA級クラスの魔法ならば、無傷で防げる現世では最高のローブである。また左手に持つドクロの杖に施されたドクロが加えるのは、魔法の要の原石であり、世界の理を所持することを意味していた。
あの日。金剛寺 忍を殺した日。全ての日常は、一条 茜の前から消え去った。
「茜様。後1時間ほどで、海ほたるへ着岸できます。日本政府へは連絡済みですが、ご用心ください」金髪の青年であり超魔導級戦艦大和の艦長であるマイケルが知らせてくれた。
「ありがとう。お姉さんも、今、事を構えたくはないでしょうから…。でもマイケルの言う通り、用心しますね。到着まで、私は、シャワーを浴びてきます」
自室に戻ると、魔女っ子ローブを脱ぎ、専用のシャワールームに入る。
継ぎ接ぎだらけの裸体が鏡に映る。
あの戦いの後、七海ちゃんの心臓と腎臓、肝臓、お師匠様の卵巣と子宮などを取り込むことで生き長らえたのだ。もう自身の遺伝子を持つ子は産めない体だ。
ありがとうございます。七海ちゃん。お師匠様。いつものように祈り終えシャワーを浴びる。
シャワーを浴びていると、背後に気配を感じるが、そのまま振り返ること無く体に付いた泡を流す。
<<自主規制!!>>
「七海…」と呟く涼くんの頬には、涙かシャワーの湯かわからないが、すっと流れ落ちた。
真正面から抱かれキスをされても、涼くんの眼には、私が七海ちゃんにしか見えないのだろう。
そうだよ。ここ。この胸の中で、七海ちゃんは生きているよ。
死と恐怖を司る魔法である死霊の魔法で、七海ちゃんと涼くんが話すのを黙って聞いている。
「涼、駄目よ。もっと丁寧にするの。優しくしないと。女の子は嫌がるよ?」
「ご、ごめん…。七海に逢いたくて…」
「もう…茜様、ごめんなさい」
「いいのよ、七海ちゃん。涼くんの好きにさせて」
「駄目ですよ! そうやって、茜様が、甘やかすから…」
<<自主規制!!>>
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海ほたるの施設内では、斎藤 美羽が出迎えてくれた。
「お姉さん…」
「あれだけのことをした私のことを…まだお姉さんと…。茜ちゃん…。これが最後の忠告よ。もう、昔のことは忘れなさい。私とあなたは敵同士。最後に、お礼とお別れを言いに来たのよ。ありがとう、さよならって…」