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圧勝

同じ駒を操る能力ならば、駒の数と能力が優れた方が勝つ。当たり前の結果だ。


犯人にミスがあるとすれば、日本語が話せないことだろう。私ならば、人質を取った時点で、近くにいる客にも動くなと命令するだろう。人質は多いほうが良いのだ。


少ない人質。しかも人質の価値など私の骸骨にわかるはずもない。人質が斬り付けられようが、構わず少女を殺しに行く、私の骸骨。それを骸骨の視野を共有しながら確認していると、TVモニターを見ていた機動隊の隊長が、私に詰め寄る。


「人に命を何だと思っているのだっ!!」


最もな話です。学校の道徳で嫌と言うほど知ってます。ですが…いや、自分を正当化するのは止めます。理由など、言い分けをする気になれば、複数考えられるのです。下級国民など考慮するまでもない。少ない犠牲で大勢の命を守った。上からの命令です。人質も洗脳されてます。などなど。


機動隊の隊長は、私の胸ぐらを掴む。私のSPが止めに入ると、機動隊も隊長を助けんと、乱闘になる。


「やめなさい」と呟き、その場全員を麻痺状態にさせる。


「次、私の邪魔をするのならば、国家反逆罪とみなし、その場で処刑します」と宣言し、麻痺を解除する。


「SP、将と桜が到着次第、敵少女まで、私を案内しなさい」


将くんと桜ちゃんが来ると、静まり返った司令室を後にする。


敵少女の死体まで、200mの位置で、将くんに「念の為、死体を潰してください」とお願いする。


将くんの重力魔法で、死体を床に押し付け肉塊にする。正直、どの死体が少女の体なのかもわからないほど、骸骨はバラバラにしていたのだ。


お姉さんに脳内通信で、敵の殲滅を報告すると、ショッピングモールで待機するように指示された。


「SPは報告書をまとめる準備をお願いします。被害状況の確認のため、各人質の調査もお願いしますね」と指示を出す。


私は、将くんをトイレの前に護衛として立たせると、桜ちゃんと個室に入る。便座の前に座り込むと、基地で食べたお昼ご飯を全て吐き出してしまいました。


「桜ちゃん…わたし、いっぱい、人を…殺しちゃった…人殺しになちゃった…人を守るのが魔女じゃないのかな…なのに…なんで…」


「茜様…。だからなのです。だから超上級国民としての心構えが重要なのです。下級国民に対して、必要以上の情を持ってはいけないのです。茜様は、人として優しすぎるのです」


桜ちゃんは背中を擦りながら、優しく私の行為を正当化してくれる。


「さ。立ってください。”汚れよ飛べ”」


桜ちゃんの飛空魔法も洗練され始めて、汚れだけを飛ばす魔法だ。除菌も可能らしい。


トイレの床に座って付いたばい菌も、口の周りの嘔吐の汚れも、涙も、全部綺麗になくなった。


綺麗になった私をぎゅっと抱きしめ、桜ちゃんはキスをしてきた。


「立派になりましたね。私は茜様の味方です。例え世界が敵になっても」


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