討伐チーム
朝食を三人で食べていると、お姉さんから脳内通信が来た。
”茜ちゃん。今日は学校へ行かずに、基地に来てください。今、桜と将を向かわせます”
「え…。七海ちゃん、涼くん…。今日は、学校お休みだ。お姉さんから呼び出しです」
お姉さんに会えるのは嬉しいけど、学校にも行きたい。
「茜様…。えっ…。まだ朝ゴハン食べてるの? 遅くない? ねぇ。よく学校遅刻しないよな…」
将くんに呆れられてしまった。
「ほら。茜様、絨毯で行きますよ。乗って」
朝食を半分も食べずに、基地へ向かう。はぁ、何か、今日は嫌な一日になりそうだ。
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基地の司令室に入るなり、開口一番。
「遅いっ!!! 呼び出されてから、何分経ったと思ってる!!!」
うわっ…。お師匠様、めちゃ機嫌が悪い…。もう帰りたい…。
「まぁ…。それほど遅くもないですよ。それよりも、ご説明を…」話を逸らそうとするお姉さん。
「確かに。時間もないしな。いいか、本日6:55に国内へ敵国からの侵入があった。敵の数は不明。何っ!? 判明しただとっ!!! 報告が、遅いっ!! 3名だ。顔写真は? うむ、これだ」
お師匠様が写真を配る。金髪の白人の男の子と女の子、黒人の男の子。
「見つけ次第、問答無用で殺せ。どうせ他国の言葉など、お互い話せぬだろう」
えっ…。いきなり殺せって…。うん。いつかは、いつかは…。来ると思ってたけど…。
「茜ちゃん。躊躇はイケない。わかってるわよね? 誰かが代わりにとか、時間が経てばとか、話せばわかるとか、そんなことを考えていると、回りに親しい友人が死ぬわ。心を切り替えるのよ」
お姉さんが厳しい口調でいうもんだから、私は涙が止まらなくなった。
「は、ばい…。わがってばす…」
「捜索は国の機関が、討伐は、茜、桜、将のチーム。西村、金本、井上のチームの2チームが担当します。討伐チームはしばらく基地で待機です」
久しぶりに会った、西村さん、金本さん、井上さんたちとも会話はなく。ただ捜索チームからの報告を待つだけで…。見つからなければいいのにと心の中で思っている。
三時間が経過しても進展が見られない。私は基地の食堂で、早めのお昼を一人で食べる。
相手の実力って…そんなの関係ない。殺られる前に…殺る…とか、女子中学生のセリフじゃないよね。
「茜ッ!! 出撃だっ!! 敵チームの一人が、ショッピングモールで、魔法の乱射をしているっ!! 恐らく陽動作戦だと思うが、対処が必要だ。とっとと行けっ!!」
お師匠様が、わざわざ言いに来てくれた。でも…”行くぞ”じゃなく”行け”その違いは大きかった。