国立魔法防衛大学附属中学校
いつもの基地に帰ると、お姉さんが出迎えてくれました。
「お姉さん!」ぎゅっとお姉さんに抱きつきます。将と桜の師も来ていたようです。
お姉さんは、前のおっとりした感じから、キリっした感じになっていました。なんでも今は、魔法防衛特務長官の補佐として、この基地に配属されたとのことです。
「えっ!? あのマンションに帰らないの?」
「そうね…。こっちにいる方が、今は落ち着くかしら?」
「うぅ…お姉さん、過労死なんてしないで。死んだらゾンビにするからねっ!」
「大丈夫よ。でも忘れないで、私は茜ちゃんの師なのです。困ったら何でも相談してね」
「うん。また落ち着いたら、遊びに来るね。今度こそ小学生ライフをエンジョイするのです!」
「「「えっ!?」」」お師匠様、三人の師、SPたち…将も桜も、全員が何言ってんだ? 状態ですが?
「えっ!? 私、何か、変なこと言った?」
「もう…7月よ? 茜ちゃんは、小学校を卒業して、今、中学生よ?」とお姉さんが言った。
「は、はい? 卒業式も、入学式も…未体験なの? 私は…。あう…」
その場に崩れ落ちる私に桜が頭を撫で「中学校で、頑張ろうよ…」と励ます。
切り替えも大事。「よしっ! 中学生ライフをエンジョイするのですっ!!」
握り拳に魔力を込めて、結界を張り直した。これでよしっ。古民家に帰るのです。
「SPっ!! 帰り支度はまだかっ!!」
超上級国民としての振る舞いも大事だと、将や桜にこっ酷く怒られたのを思い出す。
SPの数が30名? あれ? お師匠様と同じ数だ…。
茜専属のAランク護衛隊長・柴田 兵太さんに代わって、犬崎 真司さんが隊長になっていた。
ちらりと桜の方を見ると、柴田さんがいた…。まぁ、そういうことならOKでしょ。
「えっと、茜。最初に言っておくが、俺と桜も一緒に生活するからな。で、お前に確認なんだけど。前の学校がいいか? まぁ小学校が中学校になっているけど」
「どういうこと?」意味がわらず顔を傾ける。
「まぁ、一般の学校より、上級国民以上が通う学校にしないかという提案だ」
「う〜ん…私、七海ちゃんと一緒ん学校がいいの」と即答する。
ニヤリと将が笑う。「ふっ。予想通りの回答だな。なら問題はない。七海にも涼にも転校する意志はあるそうだ。今度からは、国立魔法防衛大学附属中学校に通うことになる」
ぐぬぬ…私の知らないところで、勝手にいろいろ話が決まっていく…。




