死霊の魔法書
朝食を食べて、歯を磨き、ジャージに着替える。よしっ!! 魔法の勉強だっ!!
テーブルを挟んでお姉さんと座る。テーブルの上には、なんとも神秘的な「神聖の魔法書」、明るく輝き天使の羽の絵が書かれている「光の魔法書」、黒い表紙にドクロさんの絵の「死霊の魔法書」。
「えっ!? 死? 霊? なんて? なんて読むの?」
驚くことに、魔法の書が読める…。
「あ、茜ちゃん…。”しりょう”って読むのよ…。茜ちゃんは、死と恐怖を司る魔法を手に入れたの…」
あ…。なんとなく、昨日見た夢を思い出す…。怖い…。
「それって…やばくないですか? 私、空飛びたい、妖精さんと話したい…です」
「空は…どうかな?? でも、ゾンビさんや、骸骨さんとなら、話せるかも…」
どうにか明るく話題を作ろうとするお姉さんだけれでも、顔は決して笑っていない。
「はは…ゾンビさんですか…」
私とお姉さんとSPたちに、何とも言えない空気が流れた…。
「さ、さてと、私と茜ちゃんで、師弟の契約を結びましょう」
「まず、ピースでVサイン。左右の人差し指を軽く付けて、そして左右の中指を私と付けて…」
「ほら、十字手裏剣みたいになったでしょ?」
「私の後に続けて唱えてね」
”血より濃く、命の絆を、ここに極めん”
”血より濃く、命の絆を、ここに極めん”
十字手裏剣から、青色の光が溢れ出て、契約が終了した。
「何も変わってないみたい…これでいいの?」
手や足を見たり、顔などを触ったけど、何も変わっていなかった。
「うん。耳を塞いでみて」
言われた通りに両手で耳を塞ぐと、(聞こえる? 心に直接話しかけてるよ)って声が聞こえた。
「えっ!? マジ? すごくない?」
「うん、すごいでしょ。でも他にも色々あるけど、今は、これだけ知っていれば十分だから、本の目次を見せて」
テーブル上にある本の表紙をめくると、何とも言えない恐ろしい項目が、ずらりと並んでいた。
「なるほどね…」
お姉さんは何か納得したように、真剣な眼差しで説明を始めたのだ。