残される者へ
黒猫…。そう、それは魔女っ子にとって、マストアイテム。でも、ホモンクルスじゃないよね?
「う〜ん…この猫、強いのかな?」指でゴロゴロする喉を触る。
試す? でも万が一強くて、SPさんに怪我を負わせるわけにもいかないし…。
”ご安心ください。暗黒六芒星が一人、魔獣王アビスでございます。必ずや二人をお守りしてみせます”
と脳内通信で正体を明かしてきた。
なるほど。なぜか暗黒六芒星が猫に…。まぁ…強そうだからいいなか。
「か、可愛いですね。な、名前は?」と興奮する七海ちゃん。
「う〜ん、涼くんの子供だから…」
「茜様、子供は…やめてください…」無駄な抵抗する涼くん。
「じゃ、七海ちゃん決めて」
「茜様の”あ”、涼くんの”り”、私の”な”で、アリナにする」
***** ***** ***** ***** *****
そして翌日、全ての仕事を終わらせたお師匠様が、古民家を訪ねてきた。
「よし、茜。ご両親の保護プログラムが決定した。今から…最後の面会に行くぞ」
「はい…」 ついにこの日が来てしまった…。
***** ***** ***** ***** *****
両親と弟はいつもの基地にいた。地下の小部屋で、お母さんの作ったお弁当を4人で食べる。
「お父さん、お母さん、優馬。迷惑ばかりかけてごめんなさい」
三人は、ゆっくりと笑顔で「大丈夫だ」と言ってくれた。きっと事前に決めていたんだろう…。
その後、それぞれ気を使って、無理に明るく元気に振る舞っていた。時間の経過は早く、あっという間に2時間たった。
「お師匠様、最後に、家族に…魔法を見せたいです」とお師匠様に直談判しました。
困った顔のお師匠様は、「じゃ、滑走路で」と言ってくれた。
「みんな、心配しないで…。これが私の力…。日本を、家族を守る力…」
ドクロの杖に飾られたドクロの目が赤黒く光るとカタカタとドクロが笑う…。茜の前方に巨大な血の魔法陣が展開される。
”いでよ、暗黒六芒星が一人、破壊の巨兵フォビドゥン”
高さ30mの真っ赤な岩石で形成された巨人が、魔法陣上に召喚される…。
「ねっ!? 私は…大丈夫だよ? だから、安心して…。さようなら、お父さん、お母さん、優馬」
巨人を消し去ると、クルッと家族から、向きを変え…基地内に戻る。基地内に入ると、駆け出し…誰もいない部屋に入る。ダムが崩壊するように、大声で泣きました…。お師匠様が怒りに来るまで…。
子供のままの茜は、自分で何もできないのに、周りは恐ろしい早さで変わっていきました。
そんな茜も、ディアボロスとして、覚醒を始めます。
次回から、修行編ですっ! と言っても、数回で終わりますが…。




