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さらなる非日常へ

「ば、馬鹿な…なぜ? 生きている…なぜ生き返れる?? 死んでなかったのか?」と西条 翼が驚きの声を上げるが、何で? 生きていちゃ悪いの? っと睨み返す。


「まったく…お前と言うやつは…」とお師匠様にさえ、呆れられてしまった。


そして、相田 桜さんとお師匠様から、事件のあらましを聞く。


「また…ご迷惑をかけてしまったのですか…。それに、またまた助けてもらったんですね」


「いや、まだだ。これから別の基地の部隊が突撃し、残留している敵を討つ。それは、軍同士の問題だ」とお師匠様は私を睨む。


ごくり…。嫌なよ予感がする。お師匠様がためらうほどの…何かを…私に言ってくるのだ…。怖い。


「いいか、茜。前回のビルの襲撃は、敵国の情報を持つ人物の暗殺が目的だった。しかし…今回の襲撃は、茜、お前が目的だ。お前は…いつまでも守られる立場ではない。自分で切り抜けなければならないのだ。そして、それを、今、実践するのだ」


お師匠様は、ビシッと西条 翼を指差し「あいつが、首謀者の一人だ。茜、お前が殺せ」と冷たく言い放つ。


西条 翼は、一歩下がり、顔を引きつらせた。


「えっ!?」殺せ? 人を? 無理だよ…。 


「どうした? 茜。西条は間接的にも、お前の命を奪った男だ。容赦する必要はないぞ」


「で、でも…。お師匠様…。私にはできません…。私のために…皆が…迷惑するなら…私…」


「それ以上、言うな茜。いいか? お前が死ねば、何度も言うが世界のバランスは崩れ、日本は世界から侵略され…お前の両親も、友人も、蹂躙されるのだ…。お前が守るしか無いのだ」


「そうさっ! そんな意志の弱いガキが、そんな強力な魔法書を持っているのが悪いっ!! 死んで俺に渡せっ!! 俺が世界から日本を守ってやるっ!!」


戦闘態勢に入る西条 翼を、お師匠様は軽く嘲笑った。


「ふっ…。何が日本を守るだ? お前らは日本を滅ぼし、世界を手にしようとしているのだろう?」


「煩いっ!! 死ね、一条っ!!」


「”悪魔の杭”」ドクロの杖をぎゅっと握る。私は…練習していたダイレクト魔法を発動させた。それは体を麻痺させる魔法。正直言って…私の魔法の初動速度は…お師匠様に限りなく近い。


「”毒の矢”、”腐敗の霧”、”病魔の針”、”凝結の血”、”酸の飛沫”」


西条 翼の体は、腐敗し、血が凝結し、酸で焼かれ、毒と病魔に犯され…。壮絶な悲鳴と腐臭と見るに耐えない…徐々に死へ近づいていく…。


「茜。魔法はイメージだ。お前の殺意、覚悟が少なければ、それだけ西条は苦しむのだぞ?」


泣き崩れ、全身が震え、床に嘔吐しても…お師匠様は容赦しない…。そうだ、自分が…自分で、決着をつけるのだっ!! 骨をばら撒き…。


「”デスナイトっ!!”」 数体の漆黒フルプレートアーマーの騎士が、召喚され、その重々しい鈍く輝くロングソードで、西条 翼の体をバラバラに切り裂いた…。


私…人を…殺して…しまった…。 心の中に…薄っすらと、喜ぶ自分がいた。


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