ディアボロス
そのとき…茜の遺体を中心に…血で描かれた魔法陣が構築された。茜の遺体は仰向けのまま、ゆっくりと空中へ浮かび上がる、四肢はだらんと力なく垂れ下がった状態で、1mの高さを維持し停止した。
何が起こったのか? 誰もわかぬまま。金剛寺でさえ思考が停止していた。
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薄暗い。ちょっと生臭い。ここは…。よく映画で見るようなお城の…謁見の間?
えっ? 私の周りには、全裸の悪魔たちが…男の悪魔も、女の悪魔も…。跪いていた。
「死と恐怖を司る、我らが神。ディアボロス様…。一千年の長き眠りから目覚め、今一度、我らを混沌の世界へと導いて頂けることに…感謝いたします」
はへっ? 神? 私が? いやいや…。 はうっ!? 私まで、全裸じゃないの??
何? 悪魔って、裸族なの? しかも…私の体から…真っ黒い靄のような魔力が、ガンガン溢れているんですど?
見渡せば100を超える悪魔が、全員、頭を下げてるけど?
「あの…」
「はっ! なんなりとご命令をっ!! 地上の破壊でしょうか? 人間の抹殺でしょうか?」
おいおい…。物騒過ぎるんですけど…。
「私、目覚めたばかりらしいので、とりあえず、みなさん、解散してください」
「「「「仰せの通りにっ!!」」」」
ふぅ…。解散と言ったのに、6人? 6悪魔? ほど残っているよ…。
「あの、あなた達は?」
「はっ! 我らは、暗黒六芒星であり、ディアボロス様の忠実なる手足でございます」
「そうですか…。私は…どこにいればいいのですか?」
「どこに…? 勿論、玉座でございます」
振り返りると、なんとも趣味の悪い…死と恐怖をイメージした玉座があった。仕方なく座るのだが…全裸なので、足を開くと…お股が丸見えじゃないかっ!!
はぁ…どうするのこれ? ここまでリアルに実感できるって、夢じゃないよね…。
いや…しかし…随分と私、心臓に毛が生えたのかな?って思うぐらい…非日常に強くなってない?
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茜の遺体から、死神のような幻影が浮かび上がり、上空で煙のように消えた。
そして…ゆっくりと茜の遺体は地面に戻り…。
「はっ!? ここは?? 悪魔たちが消えたッ!? あれ? お師匠様? 炎の壁?」
一体…何がなんだか…私にはわからなかった。




