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お披露目された茜ちゃん

各界の著名人や有識者、権力者たちが集まる会場へ、顔見世のため入場する時がきた。


なぜか順番が指定されていて、男、女の順、しかもなぜか男だけ若い順だった。


”斎藤 将”、”金本 空”、そして…”西条 翼”の名が呼ばれると、会場は一際大きな歓声と拍手で”西条 翼”を出迎える…。


「まったく…。世界有数の企業…SJホールディングスの会長の息子だからって…」


新宮さんが、苦々しい顔で西条を見ている横で「あら? 新宮さんだって、SGグループの…おっと、怖いわ、そんな顔で睨まないで…」と井上さんが肩を竦める。


うわっ…。なにこれ…。これが流行りの忖度?? 


それに…。井上さんも、こんなキャラだったのか…。


”新宮 結菜”も”西条 翼”に負けない歓声と拍手で迎えられ、満足そうな顔をしていた。


”井上 ひまわり”、”相田 桜”、そして…”一条 茜”。


この日一番の会場が割れんばかりの歓声と拍手は…何と私が…手にしてしまったのだ。


えっ!? と驚く私に、”西条 翼”と”新宮 結菜”が燃えるような瞳で睨んでいた。


こ、怖い…。 どうやら、私が、お師匠様のお気に入りだと、各界の著名人や有識者、権力者たちまで浸透していたらしい。


私は魔女っ子帽子を深くかぶり直し、誰とも目線を合わせないようにした。


肩身が狭い私は、よそよそと…会場の暗く、静かな…誰もいない場所へ…逃げ込む。


お腹減ったけど…。ビュッフェスタイルの会場だし、誰かに話しかけられても困るし…。


そのとき、魔女っ子衣装の襟を捕まれ、会場の中央に引きずり出される。


えっ!? 何っ!? あっ………。お師匠様…。


「おい、お前たち、注目せんかっ! こいつが、私の弟子の弟子…。茜だ。今後、私と共に、日本のキーマンとなり世界と戦う魔女だ。よく覚えておけっ!!」


うわっ…。ハ、ハードル…上げすぎ、どころか、青天井ですよ、お師匠様ッ!!


顔を真っ赤にして俯いていると、あちかこちらで、可愛いとか、頼りないとか、大丈夫なのかとか、あの事件を解決したとか、言いたい放題な状態に晒された。


「ほら、茜も挨拶せんかっ!!!!」


「は、はい…ごめんなさい…。あ、あの…。一条 茜です。がんばります。よろしくおねがいします」


レベルの低すぎる挨拶に会場が凍りつくが、お師匠様の死の視線により…。


大きな拍手を頂くことができました。もう、やったね!! と吹っ切れるしかないよね…。


「お師匠様、緊張でトイレに行きたいです」


お師匠様の周りから、失笑の祝福を受けました…。



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