大人の世界
「ちょっと…お師匠様、何言ってるんですか?」
「このビルは…現在、複数の国や組織から監視されている。ここに出入りする人物は…日本の中枢に深く関わる人物として…敵から誘拐・暗殺・監視対象になる可能性がある」
「は、はいっ!? そんな…危険な場所に…私呼ばれたのですかっ!?」
「はぁ…自覚がないな茜は…。遅かれ早かれ…お前は、そういう対象となる」
お姉さんをチラリと見ると、えっ!? わ、わたしもっ!? って顔をしている…。
「忘れてた。美羽、お前も来い」
私は疑問を口にする…。
「お師匠様と一緒にいると心強いのですが、いればいるほど…敵と呼ばれる方から…余計に狙われる可能性が高まるのではないでしょうか?」
「まぁ、間違ってはない。小学生なのに、えらいぞ茜」
頭をぐりぐりと撫でられ、地下室を出ると、見たことがないSPの数…。
長官と呼ばれた男性は、整列するSPに向かって、新たな指示を出す。
「ここにいる一条 茜。斎藤 美羽の護衛を、Aランクの護衛に切り替える。数は常時20名だ」
七海さんとエレンさんが動揺している…。この二人には…一緒にして欲しい。
「長官さん? 七海さんとエレンさんを護衛とは別の意味で…私たちに付けて頂けませんか? お二人にいて頂けると、他のSPさんとの連携もやりやすいので…」
わおっ!! すごいよお姉さんっ!! 頼りになります…。
「そうか…良いだろう」
しかも、あっさりOK出たしっ!!
嬉しくてお姉さんの手をぎゅっと握ってしまったよ…。
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その後のお偉い人たちの打ち合わせに…昔見たTVでお偉いさんたちが、隠れてお話する高級な料亭にリアルで連れて行かれたけど…難しいお話を聞きながら、大人の味を食べても…魔力がガンガン減るだけで…最後は、ぐったりしてしまった。
その後、車の中で、お師匠様が焼き芋を作ってくれました。
「お師匠様の焼き芋が一番ですっ!!」
「そうか、そうか」とお師匠様も大喜びで…辛く長い一日を終えました…。
焼き芋を食べると、お姉さんの魔法で、また強制的に眠らされてしまったのです…。
今日一日で、平穏な日常から、一気に遠ざかった気がします…。
次は、いつ学校へ行けるのかな?




