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大人の世界

「ちょっと…お師匠様、何言ってるんですか?」


「このビルは…現在、複数の国や組織から監視されている。ここに出入りする人物は…日本の中枢に深く関わる人物として…敵から誘拐・暗殺・監視対象になる可能性がある」


「は、はいっ!? そんな…危険な場所に…私呼ばれたのですかっ!?」


「はぁ…自覚がないな茜は…。遅かれ早かれ…お前は、そういう対象となる」


お姉さんをチラリと見ると、えっ!? わ、わたしもっ!? って顔をしている…。


「忘れてた。美羽、お前も来い」


私は疑問を口にする…。


「お師匠様と一緒にいると心強いのですが、いればいるほど…敵と呼ばれる方から…余計に狙われる可能性が高まるのではないでしょうか?」


「まぁ、間違ってはない。小学生なのに、えらいぞ茜」


頭をぐりぐりと撫でられ、地下室を出ると、見たことがないSPの数…。


長官と呼ばれた男性は、整列するSPに向かって、新たな指示を出す。


「ここにいる一条 茜。斎藤 美羽の護衛を、Aランクの護衛に切り替える。数は常時20名だ」


七海さんとエレンさんが動揺している…。この二人には…一緒にして欲しい。


「長官さん? 七海さんとエレンさんを護衛とは別の意味で…私たちに付けて頂けませんか? お二人にいて頂けると、他のSPさんとの連携もやりやすいので…」


わおっ!! すごいよお姉さんっ!! 頼りになります…。


「そうか…良いだろう」


しかも、あっさりOK出たしっ!!


嬉しくてお姉さんの手をぎゅっと握ってしまったよ…。


***** ***** ***** ***** ***** 


その後のお偉い人たちの打ち合わせに…昔見たTVでお偉いさんたちが、隠れてお話する高級な料亭にリアルで連れて行かれたけど…難しいお話を聞きながら、大人の味を食べても…魔力がガンガン減るだけで…最後は、ぐったりしてしまった。


その後、車の中で、お師匠様が焼き芋を作ってくれました。


「お師匠様の焼き芋が一番ですっ!!」


「そうか、そうか」とお師匠様も大喜びで…辛く長い一日を終えました…。


焼き芋を食べると、お姉さんの魔法で、また強制的に眠らされてしまったのです…。


今日一日で、平穏な日常から、一気に遠ざかった気がします…。


次は、いつ学校へ行けるのかな?


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