襲撃
自分の乗ってきたヘリコプターが離陸すると、その場所に次のヘリコプターが着陸しようとしていた。
そのとき隣に立っていた相田さんが、何かに押されたように後方へ倒れた。
次の瞬間、芽衣さんが、私に覆いかぶさると、大樹さんが建物内へ通じるドアを用心しながら開けた。
芽衣さんの隙間から相田さんが倒れている地面が真っ赤になっているのが見える…。
いやっ!! あ、相田さん…。体はガクガク震えだすが、相田さんに近づこうとしたとき、「駄目っ! じっとしてっ!!」と聞いたこともないような芽衣さんの大きな声に驚き、深呼吸をして…心を落ち着かせる…。
二機目のヘリコプターがやや強引に着陸すると、中から西村さんが警戒して降りてきた。
「スナイパーは…俺が防ぐ、建物内の安全を確保しろっ!!」
西村さんは20m×20mぐらいの青い透明な壁を作り出す。多分、あっちからの方から攻撃されたのかと見てみると、こちらより高いビルがあった。
大樹さんは、建物内へ通じるドアの影から、内部へ拳銃を何発も撃っている…。映画で見たような光景が現実に起こっている…。二機目から降りてきたSPたちも大樹さんに合流し、建物内部の敵と戦闘を開始した。
「まずい、芽衣っ! 茜ちゃんを、どこか、影に避難させろっ!!」
西村さんが、そう言ったと思ったら…私と芽衣さんは、ビルの屋上に備え付けてある何かの巨大な室外機のような物に、爆風で打ち付けられた…。でも芽衣さんは、ふき飛ばされている一瞬の間に、自分が室外機とのクッションになるようにして…私を守ってくれた…。
「芽衣さんっ!! しっかりして…」
口から大量の血を吐き出し…芽衣さんは、ぐったりしている…。
爆発の原因は…二機目のヘリコプターが何らかの攻撃で爆破されたからだ…。屋上は黒煙と火の海になっている…。
建物内へ通じるドア付近にも、何人もSPが倒れていた…。
うぅ…相田さん…芽衣さん…大樹さん…西村さん…。みんな…生きているよね…。
みんなを守らないと…。ポケットの手を突っ込んで、小笠原諸島で殺してしまった小動物たちの骨をばら撒く…。
「”踊る骸骨”…みんなを守って…お願い…」
ドクロの杖が、今までにないほど…黒い光を放ち…茜の願いを魔法に変える…。
ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。ギャガガ…。
30体の骸骨たちは身長が2m程度。眼の中は真っ黒なのに薄青い光が宿っていおり、その手には剣と盾持っていた。
「お願い…みんなを守って…」
未だかつて無いほどの魔力を使ったため…一気に魔力欠乏症になり…意識が薄れていった…。