お姉さんが来たっ!
昼食の時間…。私たちが自前の弁当を持ってきたという噂が流れ、注目される中、おむすびを披露するが、期待はずれ感が大きく蜘蛛の子を散らすように、クラスメイトは去っていった。
むきーーーーっ!! 涼くんのおむすび、馬鹿にするんなっ!!
パクパクと美味しいおむすびを食べていると、突然クラスのドアが開く。
何事? とドアの方に視線を向けると…。お姉さんっ!? なんで学校にっ!?
「茜ちゃん、師匠が呼んでいます。今すぐ行きますよ」
涼くんと七海ちゃんは、自宅は帰る許可が下りていた。
「実家を満喫してきてね」
「茜ちゃん、行きますよ、師匠に殺されます…」
おむすびを右手にドクロの杖を左手に持つとSPに囲まれて廊下を歩く。
「あれ? SPの数多くないですか?」
「あっ、今日は師匠の同期の西村さんが一緒に付いて来てくれているからよ」
挨拶されるタイミングを待っていたのか、すぐに西村さんがやってきた。西村さんは魔法使いではなく、SPと同じ格好をしていた。むむ? SPの格好で魔法が仕えるのかな?
「はじめまして、君が金剛寺のお気に入りの茜ちゃんかぁ〜。よろしくね」
お気に入りとか…嬉しいような…嬉しくないような…。もぐもぐ…。
ごっくん。「あ、はい。よろしくおねがいします」
「西村さんは、Cランクの護衛部隊です。一緒にいれば安心ですよ」
お姉さんはニコリと笑っている。お姉さんへの信頼度100%の私はそれだけで安心する。
いつもの駐車場ではなく、校庭? 何で校庭? と考えるよりも答えはすぐに出た。
ヘリコプターが三機、待機していたのだ。
「あの…空飛ぶ乗り物初めてで…怖い…」
SPの相田さんはおむすびごと私をヘリコプターに押し込むと、自分も乗り…すぐに離陸を開始した。
ひぃぃぃぃ…ちょっとちびった…。それよりおむすび、早く食べないと…。超上級国民として…。
エンジンの音、風の音、すべてが怖い…。えっと確か…死んでも生き返る魔法あったよね…。
おにぎりを片手に必死にその魔法を探す…が、今の私の実力では…発動できないレベルだった。
悔しい…。もっと努力せねばっ!! ぐっ、と拳を握りしめる。
ヘリコプターは東京都内の高層ビルへ着陸する。
「西村さん、斎藤さんが迎えに来るまで、屋上で待機です」
緊張気味の相田さんは当たりを警戒する。




