魔女二人+SP数名で暮らします
お姉さんと暮らし始めて一週間が経った。
魔法を使うには、魔力が必要らしい。私はまだ魔法の本を手に入れていないので、魔力はないのだけれど、魔法の本を手にしたら、電化製品とかを使ってはいけないらしい。
使うと魔力が溜まらないのだ。溜まらないと魔力欠乏症になり、大変苦しいそうだ。
そんでもって、折角のタワーマンションなのに、お姉さんの部屋は二階。
理由は、エレベータ使いたくないから…。
電気は使用しないで、なんと夜はロウソクで過ごす。だから寝る時間もメチャ早い。
流石に移動は公共機関または車を使うらしい。移動中はSPと一緒、いや…この部屋の中でも一緒なのです。
お姉さんは、高校一年生。真っ黒なストレートロング、艶ありあり。部活は弓道部。純和風を愛しているらしい。それなのに魔女とか…可愛そうだ。
魔法の本は、1年目に一冊もらえて、3年目で二冊目がもらえて、6年目で最後の三冊目がもらえる。
お姉さんは、「光の魔法書」と「神聖の魔法書」の二冊を持っていた。
「光と神聖って、聖女様みたいですね」
少し魔法のことがわかってきた私はお姉さんのことを、この美貌、この性格、マジ聖女じゃね? と思っていた。
「ふふっ。褒めても、魔法の勉強は厳しくいきますよ」
「は、はい…」
読まれていた…。流石、聖女様。
「茜ちゃんと、一緒にいると、時間が経つのが早いわね。楽しいからかな? 明日、茜ちゃんの魔法書を手に入れる儀式ができる日ね」
「ほ、本当ですか…。正直、あまり嬉しくないです。お姉さんと一緒に生活しているのは、とても楽しいけど、魔女には…なりたくないです」
「そうね…。周りの友達とも、どんどん距離が離れていくし…。そこは、自分の中で、諦めたりするしかないのよね…」
お姉さんは、少し寂しそうな顔で、窓の外に視線をずらした。
私は話題を変えようと、「明日の儀式って、何処でするの?」と聞いてみた。
「海ほたるよ。すっごい地下神殿があるの。沈んだアトランティス大陸ね。内緒よ」
ふふっ。と笑顔が戻った。よかった…。
「衣装もあるのよ、このただのながーい布切れだけれども、ぐるぐるに巻いて衣装とするの」
少し青が混じった白い布だった。
「お姉さん、これが衣装なの? 着方がわからないです…」
「心配しないで、そういうのはメンターであるお姉さんの仕事だから」