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魔力向上修行

濡れた体を拭き魔女っ子の衣装を着て、バスルームを出ると、SPの純くん、芽衣さんと目が合うのだけれど、そっと視線を外されてしまう…。あっ!! 昨日のアレを…見られていたんだ…。超、気まずい…。


「お、おはようございます…」と声だけかけておこう…。こっちが悪いんだから…。


「お、おはよう…そ、そろそろ代わりの七海と相田さんが来るから…」と純くんも事務的に答える。


お姉さんまで、私を見て顔を赤らめる…。ぐぬぬっ…。お師匠様…どうにかしてっ!!


***** ***** ***** ***** ***** 


食事を終え支度を整えると、お師匠様に呼び出され、魔法の講義を受ける。


「いいか、魔法には、その力の概念がある。茜は、精神系、属性系、物理系、呪術系だ。属性系とは、火や水や風などであり、茜にとっては…闇とかになる。とにかく茜の死霊魔法は幅広く深いのだ。説明が面倒だ。例えば…茜が持つ、恐怖の効果がある魔法は、精神系にもあり、呪術系にもある」


「お師匠様の概念はなんでしょうか?」


「うん? 属性系だけだ。それも火。それだけだ」


「はいっ? 火だけですか…。それで強いなんて…理不尽…」


「概念は多ければ多いほど良い。お前らみたいな雑魚っパチにはな…。さて、次は影響だ。放出系、範囲系、召喚系、直接系、変換系などがある。まぁ、魔法ってのは、概念と影響を組み合わせて、魔力で火力調整的なやつだ」


「ざっくりですね…。でも、わかりやすです」


「次に魔力だ。魔力は器の大きさで決まる。器は生まれたときから大きさを変えることはできない」


「じゃ…私小さいのですね」


「なぜそう思う?」


「だって、魔力欠乏症になったとき、お師匠様に何度か、魔力を分けて頂きました。でも…体から魔力が溢れる感じでした…。ということは、器が小さいということですよね?」


「全然違う。他人の魔力で、器を埋めるどころか、入れることも厳禁だ。私は器ではなく、弱りきった細胞に魔力を与えただけだ。それが溢れているように感じたのだろう」


「そうなのですか…」


「魔力は筋力と同じで使わなければ、どんどん退化していく。大容量の魔力は、それを維持するだけでも大変だからな。修行をサボると…10分修行でさえクリアできなくなるがな…」


お師匠様は、お姉さんをチラリと見ました…。それは死の宣告でしょうか??


「まぁ。安心しろ。茜の器は、小さくないぞ。器の限界まで…しっかりと魔力を溜められるよに…修行を付けてやろう…」


あれ? 死刑宣告は…私でしたかっ!!


それから数時間に一度、私とお姉さんが、砂浜に倒れる光景を、SPたちは見ては何度も何度も見るのですが、その度に右往左往するのでした…。


でも倒れる度に…確実に…魔力が上がっていくのを実感できて…少し、少しだけですよ? 楽しいです。

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