世界とは
目覚めると、部屋が揺れていた…。そして体中の魔力が暴れ溢れていた…。
何がどうなっているの?
「起きた? 茜ちゃん…」
お姉さんに現在の状況を説明してもらった。
どうやら…。私が不用意にお師匠様に修行をお願いしたため、お師匠様の住む小笠原諸島に連れ去られているらしい…。
「あのね…師匠には、できないとか、無理とか絶対に言わないで…本気で殺しに来るか…」
「わかってます。殺されかけましたし…」
”後悔先に立たず”って、本当に、本当だった。これからは気を付けないと…。
初めて船に乗ったかもっ!! フェリーの甲板へ移動しようしたのだが…お師匠様に捕まった。
「あっ! お師匠様、この度は…お忙しいのに、我儘を聞き入れて…くださいまして? ありがとうございます。あと…体中から魔力が溢れています…これもお師匠様のお力ですか?」
「おう。気にするな。それより、お前に話がある」
えっ!? これは…また…地雷を踏まないようにしないとイケないパターンなのかな??
「師匠、それは…私から説明します」
お姉さんが間に入り必死に止める…。なんだろう…怖い…ドキドキしてきた…。
「あん? お前みたいな偽善な優しさは、茜のためにならないとわからないのか?」
「いいえ、私が…説明します。茜ちゃんは、私の弟子です。どうか…」
SP全員が右往左往している…フェリーでお師匠様が暴れたた沈没、間違い無し…。
「そうか…。なら、説明は任せた」
なんということでしょう…。お師匠様が…折れた? でもなんだか、寂しそうな目をしていたな…。
お姉さんの説明は…。
戦後、日本はアメメカの下、復興と成長を遂げたわよね。今でもアメメカの…核の傘の下…協力しながら歩んでいるように見えると思うけど…。実際は属国に等しいの。それは上手く情報を操作されて自由に生活しているように見せて…奴隷と変わらない扱いなのよ。
でも、師匠が魔女として覚醒すると、一気に世界のバランスが変わったの。師匠は小6のとき、既に核兵器に匹敵する…大陸間弾道ミサイルと同等の…いえ、それ以上の力を手にしていたわ。そして…生きる弾道ミサイル防衛システムとして、日本を守っているの…。
師匠の防衛力は、中国やオーストラリアまでカバーする範囲なの…日本に近づく前に、確実にミサイルを撃ち落とせるわ。その魔法使い・魔女ランクは…Sランクの上位よ…。世界に数人しかいないわ。
そして日本はアメメカと決別できたの。今では対等に経済も政治も協力する関係になったの。
さらに師匠が新しい魔法書を手に入れると、日本とアメメカの立場は…中国も…ドイツも…世界中の国々がひれ伏すほどの力を持ってしまったわ。




