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中間管理職? 美羽(中編)

「ありがとうございます…」と半泣きの茜ちゃんはお礼を言いながらパクっと焼き芋を食べました…。


「あっ…、すごく美味しいです。今まで、こんな美味しい焼き芋食べたことないですっ! それに…魔力が…すごくいっぱい…体に染みてきます」


私は、ガッツポーズなどするようなキャラではないのですが、自然とガッツポーズしてますっ!!


よしっ!! そうだっ!! 茜ちゃんっ!! 褒めて褒めて褒め殺すのじゃ!!


「ほぉ〜、この芋の旨さがわかるのか、お前、なかなか見込みがあるな…」


きたーーーーーーーーーっ!! 師匠がにっこり笑ってるっ!! 数年に一度の奇跡だ。


これは上司である師匠と、部下である弟子の茜ちゃんの板挟み…中間管理職…のトラップから逃げられるかもっ!!


「わたし…何で、マンションにいるのですか?」


「茜ちゃんは、魔力欠乏症で…」


「黙れと言っているっ!! この馬鹿な弟子が、茜にちゃんと教育していないからだ」


しまった余計なことを…また怒られました…。それから、魔力に関するお勉強会が始まりました。


「いいか? まず、この世のすべての物には、魔力がある。そして…いいか米だ。米を例にする。米には…そうだな魔力が100、いや10でいいか。10あるとする。これを電子ジャーで炊いたら、魔力がマイナス10減るとする…。つまり炊けた米の魔力は0だ。食べても魔力は減りも増えもしない。ここまでわかるか?」


「はい」


「じゃ、米をスーパーに運ぶとき、トラックを使うと-10だ。そうなると、炊けた米は-10で、食べれば魔力が減る。さらに…米を作るとき、稲を植える、農薬を使う、米を収穫する…それぞれ-10だ。どうだ? 炊けた米は-40だ。さらに…稲を作るとき、田んぼを作るとき、精米するとき、袋に詰めるとき…。どんどん魔力が減っているだろ? そんな米を茜は食べているんだ。魔力が無くなるのは当たり前だ」


「はい…」


「米だけでも、魔力はガンガン減るんだ。その他、TVを見たり、夜、明かりの付いた部屋、お風呂もそうだ。食べる以外でも、ガンガン減るんだ」


「お、お師匠様。でも…この部屋は…確かに、明かりも何もありませんが…。お米も食べてますし、タワーマンションですよね? 私の家よりも…なんか、魔力減りそうじゃないですか?」


「ふふふっ。いいか、ここの米は私が作っている。まぁ、運ぶときに多少魔力は減るが…。それ以上に魔力が豊富な米なのだっ!! さらに、このタワーマンションに…毎日、私が魔力を送っているのだ。このマンション内にいるだけで、魔力がガンガン回復するのだっ!!」


ナイスだよっ! 茜ちゃんっ!! 自慢できて、師匠は…楽しくて、仕方ないみたいだよッ!!


「ふむ。茜。お前は弟子の弟子…でしでした。とても可愛いぞ」


茜の頭を撫で撫でしている…。これって…おばあちゃんが、孫が可愛いとかってやつなの?


でも…私…いつまで…正座していなくちゃいけないのかな…足、しびれてますけど…。

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