表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/103

超上級国民

校長室で、てんこ盛りのおべっかオンパレード…。


「是非、一条さんが率先して、本校の価値をアピールして…」


「校長先生、そろそろ…授業に行きたいのですが…」


行き遅れババアのとし子先生は、校長先生の味方をするべきか、私の味方をするべきか…口をパクパクと何か言いたげな表情です。


「もうそんな時間かね。では、続きは後にしようか」


椅子にかけておいたドクロの杖を手に取ると、加齢臭のする部屋をささっと退散した。


今日のSPは、相田さんと純くんだ。二人に囲まれて、懐かしの教室へ急ぐ。


先生の後に続いて教室に入ると、「おぉぉぉっ!!」「わははははっ!!」「すげーっ!魔女だ!」「可愛い」などと言いたい放題、言われてたい放題です。


「皆さん、静かに。今日から一条さんと一緒に学べることになりました。では、一条さん、挨拶を」


教壇に立ちクラスを見渡す。席替えをしたらしく、七海の席が変わっていた。


「一応、簡単な修行を終えて、今日からまた学校へ戻ることになりました。よろしくお願いします」


魔女っ子三角帽子を脱ぎ、ペコリとお辞儀をする。コンナもんでいいよね?


「うわっ、魔女くせぇ〜」 いじめっ子の光輝が、ウケを狙って騒ぎ出した。


廊下で警備中の純くんが、突然、教室に入り込み、光輝を殴りつけた。


えっ!? な、何で? キャーッ!! 教室は一瞬にしてパニックになる。


「お前ごとき下民が、超上級国民の一条さんに向かって、なんたる不敬っ!!」


純くんの怒りは収まらず、倒れた光輝を髪の毛を掴むと無理やり立たせる。


「あ、相田さん、止めてっ!!」


私は廊下の相田さんに助けを求めた。


「森本は職務を全うしているでけです。一条さんの護衛として体も心も守っているでけです」


一切こちらと目を合わせず、廊下の正面を向いて、はっきりと言い切った。


「そ、そんな…。光輝、死んじゃうよ…」


涙目になり、教室に戻ると、純くんは容赦なく殴り続けていた。


「”戒めの鎖”っ!!」


ドクロの杖が鈍く光ると、鎖が純くんの体を縛り上げる。


「もうやめてください。もう平気です…」


クラスの顔が、目が、SPへの恐怖と、魔法への驚きで、凍りついていた…。


お姉さんが…言っていたことって…こんなことなのかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ