学校へ行こう!!
本日の修行を終えて、お風呂上がりの私に、お姉さんが言った。
「明日の修行は午前までにしましょう。午後は自宅に帰れるように準備をしておいてね」
「お姉さんも、一緒に帰りましょう。お隣の県でしょ?」
「わ、私は…帰りません。学校には行きませんから…」
「えっ!? どうして?」
「茜ちゃんが思う以上に、魔女が学校へ通うのは大変なのです。それなのに今年から学校に通うときも、魔女の正装と決まりました…。もう私には無理です」
みるみるお姉さんの顔が暗くなる、一体どんなことが起こるのだろう?
「そうなの? どんなことが?」
「それは…人それぞれとしか…茜ちゃんは、茜ちゃんで頑張ってください。もしかしたら、普通に通えるかも知れませんし」
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魔女っ子三角帽子、魔女っ子ドレス、魔女っ子ローブ、魔女っ子ブーツ…。
ここまではOKだ。そこそこ可愛いし。
ドクロのネックレス(大)、ドクロの指輪(両手4つ)、ドクロの杖…。
はい、アウトっ!! これが駄目。全然だめ。
「あ、茜ちゃん、これ、追加アイテムね」
お姉さんは、木箱から追加アイテムなる物を取り出すと、三角帽子に付ける。
ドクロのアクセサリー帽子用…。
「あ…折角可愛い三角帽子が…」
がっくりと項垂れながら、ドクロアクセサリーが付いた三角帽子を手に取る。
ま、負けないっ!! こんなことで、負けちゃ駄目だっ!!
「お、お姉さん。行ってきますっ!」
SPを引き連れて、タワーマンションを出ると、急に寂しくなってきた。
ずっとお姉さんと一緒だった。お姉さんはいつも優しくしてくれた…。
涙を流すと、SPの芽衣さんが、そっとハンカチを貸してくれたのです。
”血より濃く、命の絆を、ここに極めん”か…。
もしかしたらお姉さんと、本当の家族より、本当に強く結ばれたのかも…。
都会を抜け、田んぼがチラホラと見えてきた。
いよいよ学校か…。本当に大丈夫なのかな?