表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/103

生と死

「………、今日は…。このハムスターを使います…」


いよいよ、来てしまったか…。


「どうしても…やらないと駄目?」


お姉さんは困った顔になる。


「私は…神聖と光だったから…。傷を癒やす練習で、ハムスターを傷つけたこともあるけど…」


「私が傷つけたら…お姉さん治せる?」


「生きていればね…」


今から使う魔法の”生命吸引”は、相手の生命を自分の生命に変える魔法。


だから、使う前に自分を傷付ける。指先に針でちょっと血が出るくらいの傷を付けた。


覚悟を決めて、”生命吸引”の魔法を唱える。


キュッっとハムスターが苦しそうに倒れると、指の傷は癒やされた。


「お、お姉さん、助けてあげて…」


お姉さんは首を横に振る。ハムスターは死んでいるのだ、魔法で助けられない。


「茜ちゃん、ハムスターの死を無駄にしないで…」


続けて、”不死の再生”の魔法をかける…。つまりゾンビさんを作る魔法だ。


ハムスターは何もなかったかのように立ち上がると、燃えるように紅い眼でこちらを見る。


どうやら、命令を待っているみたい。


座れ、走れ、ジャンプ、どんな命令にも忠実に従う。


魔法を切ると、ただの死体に戻った。


「まだ次があるからね、しっかりして茜ちゃん」


「は、はい…」


もう疲れたよ…精神的に…。お家に帰りたいな…。


お姉さんは、私の気持ちに気付いても、修行で手を抜いたりしない。


”光の壁”の魔法でハムスターの死体を包むと、「さぁ、次の魔法を」と指示する。


”死体爆破”でハムスターの死体を触媒にして、爆発を起こす。


肉体の破片が、ベチャリと光の壁に付着すると、私はショックで気を失う…。


「あ、茜っ!! しっかりっ!!」


”心の安息”をかけてもらい、安らかな気持ちで、今日を終えたいと願った…。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ