しょうがい
星新一さん風に仕上げて見ました。意見やアドバイス等ありましたら是非お願いします。
「あなたの息子さんはしょうがいをもっているようです。」
愛する妻との間にできた第一子の健康診断の際、医者がそう告げた。どのようなしょうがいなのか問うと、
「それは身体的なものではありません。精神にも問題はないのですが、人間に必要な気持ちがひとつだけ欠如しているのです。」
それは何かと尋ねると、
「私に答えることはできません。知らない方がいいこともあるのです。」
それから医者の言ったとおり、息子には何事もなくすくすくと育っていった。心身ともに健康そのもので、いったいどこにしょうがいがあるというのだろうか。
息子が物心がついたであろうとある日。息子は死んでしまった。自殺だった。
そのときわたしはきづいたのだった。
ああ、彼には生きたいという感情がなかったのだと。