美味な匂い
あれから2週間程たった。
比奈がこの世を断ち、
母は亡くなり、
俺は独り身となった。
日が経つにつれて俺は自分が分からなくなっていた。
何が悪かったのだろうか
何がそうさせたのか……
何が間違えだったのだろうかと……
そんな思いでいっぱいで立ち直れないでいた。
奏汰『俺が悪かったのか…………。俺が、、比奈の運命そのものを狂わせてしまったのか……、、俺が……』
その時だった。
それは余りにも綺麗な声で、聴いたものを魅了する。
そう言っても他言ではない程に綺麗な声だった。
『そうた、全て……オマエがが悪い……。オマエが能力を持って生まれてしまったから。』
声がする方へ俺は耳を向けた。
俯きながら俺は誰なのかを聞いた。
すると、彼からは意味のわからない返答がきたのだ。
ルシファー『我、名はルシファー。お前のご主人様だ。』
不思議に思い俺は、彼を見た。
すると、
羽、長い爪、妖艶な笑み。
全てが魔王そのものな姿をしていた。
奏汰『オマエ……何をしにここに来た…………帰れ』
ルシファー『俺は匂いに誘われて此処に来た。それだけだよ。この闇に染まり絶望と変化したsweetな匂いに誘われてね。』
奏汰『何なんだお前は……。』
ルシファーと名乗る奴はそれに続けて、言った。
『我にお前を捧げろ』と。
勿論、俺の答えは……
『Yes』だった。
もう、どうでも良くなっていた。
この世界に俺の希望はない。そう思ってた。
だから、俺はその言葉に誘われて乗ってしまった。