4 君には敵わない
君の勢いに乗せられて私はエイとなった。ただ呆然とする私に君は言った。
「このスープ飲まないの?もらっちゃっていい?実はすごくお腹が減っててさ。」
私の了承も得ず、スープを飲もうとする君を見て思わず「ダメ」と私は強い口調で言ってしまった。
すると、君は二ヤリと笑った。
「じゃあ、早く食べなよ、エイ。島を案内してあげるよ。」
「行かない。もう外に出たくない。」
「いいから、いいから。早く食べなよ。ジェイさん、遊びに行ってくるから、その間にそれ直しといてね。」
有無を言わさぬ君の態度に私は少しイライラした
。正直言ってしまえば、遊びになんて行きたくなかった。その時の私は精神的にとても疲れていて、一刻も早く横になって休みたかった。
この時ほど君を憎たらしく思ったことはない。
君に初めて出会った時、苦しみ味わった事のないような笑顔で笑う君を私は馬鹿にした。
羨ましくおもった。なんで私だけこんな目にあわなきゃいけないんだと世の中を恨みもした。
だから、君となんて遊びたくなかった。仲良くなるつもりも更々なかった。
「ねぇ、私を連れ出して何がしたいの?」
「え、島を案内するって言ったじゃん。」
「別に案内なんていらない。どうせそんなに長い間いるつもりなんてない。それに、あなたは一体何がしたいの?私を連れ出したって何もいいことなんてないし、ただの時間の無駄じゃない。」
少しあふれ出たイライラを君にぶつけてしまった。ちょっと言い過ぎたかなって思ったけど、それくらいきつい言い方をしないと能天気な君には伝わらないと私は思った。
そしたら君は少し顔をしかめて行った。
「僕にはライって名前がある。それに、新しく島に来た友達を放って遊びに行ったら、もうジェイさんにオモチャを作ってもらえなくなる。」
もう何を言っても無駄だと思った私は、渋々君の島案内に付き合うことにした。
この時からすでに、私は君に敵わなかったんだね。




