表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
次はきみが笑う番だ  作者: odd
4章 君がいない世界
37/38

37 価値観はひとつだけじゃない

私たちの不安はよそに、キャリーさんは本当に学校のある場所に連れてきてくれた。


「どうしたの。二人共そんな驚いた顔して。ここがあなた達が通う学校よ。」

「いや、あの…」

「ごめん!俺たちキャリーさんの事信じてなかった。半分売られるんじゃないかって疑ってたんだ。」

「ちょっと、カイト!」


「あははは!あなた達私のこと疑ってたの?ごめんね、もっと信じられるまでちゃんと話せばよかったわね。」


「いや、なんかごめんなさい…」

「いいのよ、気にしないで。さあ、二人共荷物を持って早く降りて。」


私たちは恐る恐る車から降りて、改めてびっくりした。

そこは今まで見たことがないくらい立派なお城のような学校だったからだ。


後から知った話だけれども、連れてこられた学校はブリランテ校と言う世界的な名門だったらしい。

そんな名門に何故私たちが編入できたかというと、ナポルスキーさんを始めとした軍の幹部の推薦と学力テストをパスできたからだ。

今までナポルスキーさんを含めた鬼教官達の理解するだけでもやっとな講義に必死で食らいついたおかげで、基本的な学問は一通り理解できていたみたいで、意外と無駄じゃなかったみたいだ。

そうでなければ、元軍人の孤児なんて受け入れなかっただろう。

この時ばかりは、昔ナポルスキーさんの言う通りしっかり座学も勉強しておいてよかったなと思った。



「全寮制の学校だから、寝る場所も食事もあるから安心して。あなた達はこれから目一杯学ぶのよ。」


学長への挨拶を済ませたあとキャリーさんは私たちに労いの言葉をかけてくれた。

「キャリーさんありがとう。でもなんで私たちにここまでしてくれるの?」

「そうだよ、俺らが勉強したってキャリーさんに金なんて入らねーじゃん。」

「そんなことないわ、あなた達みたいな才能ある子を埋もれさすことこそ、世界にとってマイナスなのよ。それにあなたたちが活躍してくれれば私の将来の評価も上がるしね。」

「ちぇ、そっちが狙いなのかよ。」

「でも、そんな未来のことわからないじゃん。」


そう言うとキャリーさんはやれやれと行ったポーズで、私たちの頭に手を置いて言った。


「あなたたちが思っているほど世界は冷たくないの。必死に生きようとする子供を見たら、助けたいと思うのが大人なのよ。エイもカイトも今までいっぱい辛い思いをしていたんだから、そろそろ幸せになってもいいの。だから、いっぱい学んで幸せになりなさい。」


そう言って私たちを抱きしめてキャリーさんは車を走らせていった。


「あんな大人もいるんだね…。」

「だな、キャリーさんのためにも頑張らないとな。」

「うん!カイトもいるし大丈夫だよ」


私たちは互いに頷きあって、明日から通う学校の寮に戻っていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ