34 未来を天秤にかける
その吉報を聞いたのは突然のことだった。
今まで敵として戦っていた国軍が白旗を揚げた。
私たちがいた基地にもその報せはすぐに届いた。
基地にいた皆は喜んだ。
国の圧政に反乱軍として戦いを挑んでいた私たちは勝利したのだ。
そして、現政権は崩壊し新政権が建てられようとしているみたいだ。
「おい!エイ、カイト俺たちもう戦わなくていいんだぜ。」
「うるせーよルーク。わかってるよそれくらい。」
私たちより少しあとにここに来たルークは、興奮に声を沈められないようだった。
「ねえ、カイト。私たちこれからどうなるんだろうね。」
「どうなるって…お前あんま嬉しそうじゃねーな。もう戦わなくていいんだよ。死ぬこともないんだぜ?」
「それは嬉しいし安心してるんだけどさ、その後どこに行くんだろう。」
「それは…、きっと海外の協力組織がどうにかしてくれるよ。」
「それじゃあまたどこか知らないところに行くんだね。」
「そりゃそうだけど、死なないだけマシじゃね?」
「まあそうなんだけどさ…次行くところが良い場所とは限らないじゃん。」
「というか、お前は家に帰れるんじゃねーの?俺と違って捨てられたわけじゃないし。」
「帰れるわけないじゃん、半分自分で出てきたようなものなのに…。それにさ、もし元いた場所に返されるなら私たち離れるかもしれないよ?ルークともカイトとも皆出身は違うじゃん。」
私たちは黙りこんだ。戦争とは違う意味で未来が見えなかったからだ。
私たちが今戦っている国の国政は今回の内戦でぐちゃぐちゃになってしまったから、きっと私たちの身柄は海外の協力組織が受け持つだろうとナポルスキーさんに言われた。
帰りたくないのかと問われれば、解答に迷った。だって私の居場所は故郷であるリウォールにはないかもしれないからだ。自分で故郷を捨てた私を皆が受け入れてくれるとは思わなかったし、私のことなんて忘れてると思ったからだ。
それに、カイト達と共に戦うことを少し楽しんでしまっていた自分がいた。




