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次はきみが笑う番だ  作者: odd
3章 君を忘れる
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29 心の置き場所

リズとカイトが部屋に来たあと私は久しぶりにライの事を思い出しながら外を散歩していた。


ライと会ったときのこと、二人でふざけてジェイさんに怒られたこと

みんなで遊んだこと、美味しいサンドウィッチを食べたこと。


思い出すと苦しくなった。


でも、私はもうあの場所には戻れないだろう。

きっと皆が住むリウォールに帰っても皆は私を受け入れないだろう。

この手で沢山の人の命を奪ってしまった私を皆は怖がるだろう。


仕方のないことだと分かっていても、それが寂しくて仕方なくて眠れなかった。


そんなことを考えながら歩いているとリズがいた。

彼も同じように何かを考えるように、じっと食料庫の屋根の上に座っていた。



「リズ!なにしてるの?もしかして盗み食い??」


「うわ、びっくりした。エイかよ。お前まだ起きてたのかよ。」

「なんか寝つきが悪くてね。何でこんなところにいるの?」

「ここあんまり人が来なくて落ち着くんだよ。俺の秘密基地みたいな場所。」

「へー、そうなんだ。てっきり盗み食いしてたのかと思ったよ。」

「そんなわけねーだろ。バレたら上官に殺されるよ。」

「だね。慎重派のリズがそんなことする訳ないもんね。」


そんな他愛もない会話をしながら、私もリズがいる屋根の上に登った。


「あーあ、せっかくいい場所だったのにエイにバレちゃったな。」

「いいじゃん、私もここ気に入った。隠れて煙草を吸うには一番いい場所だしね。」


しれっと、リズが隠した煙草のことを指摘すると彼は観念したように煙草を出した。

煙草自体は禁止されてるわけじゃないけれど、私達みたいな子供が吸ってるのを見たらきっと大人達は「生意気だ」と言って取り上げるだろう。


「隠しても匂いでわかるよ。私そこまで鈍くないしね。」

「さすが、お前そういうとこ頭切れるよな。」

「でしょ、だから一本ちょうだい。」

「なんでだよ。お前煙草吸わねーじゃん。」


「眠れないから。リズだって寝れないときよく吸ってるでしょ。」


「そんな前から気付いてたのかよ。ほんと油断ならねえな。」


そう言って私はリズから煙草を受け取った。

案の定咳き込んでしまった。

けど、なんとなくだけどライとの思い出から離れられる気がした。


「なあ、眠れなかったのって俺たちが昔の話させちまったからか?」

「昔のこと思い出したからではあるけど、別に関係ないよ。どうせ帰る気はないしね。」

「まあ、カイトのこと許してやれよ。あいつエイを怒らせたっていって泣きそうな顔して俺のとこ来たんだから。」

「許すもなにも最初から怒ってなんかいないよ。そんな焦ってたんだ。やっぱ面白いね。」

「それなら良かったよ。まあ、明日も訓練あるし今度こそ寝ようぜ。」

「うん、ありがとうリズ。またここに来ていい?」

「ああ、でもカイトには内緒な。」



そう言うとリズはにたっと笑って自分の部屋に帰っていった。


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