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次はきみが笑う番だ  作者: odd
3章 君を忘れる
28/38

28 明日も共に笑えますように

カイトに問い詰められたあと自分の部屋で一人で夕食を食べていた。


そうしたらノックの音が聞こえたのでドアを開けてみたらリズがいた。


「リズ、こんな遅くにどうしたの?」

リズは呆れたような顔をして

「用があるのは俺じゃなくてこいつ。」

「え?誰?」

「ったく、お前も謝るなら一人で来いよな。」


リズが突き飛ばして扉の前に出てきたのは、ばつが悪そうな顔をしたカイトがいた。



「エイにひどいこと言ったから謝りたいんだってさ。まったくカイトもひどいよなー、人が隠していること無理やり聞き出そうとするなんてさ。」

「エイごめん…俺そんな問い詰めるつもりなんてなかったんだ。でも、ここまで一緒にやってきた仲間なのに嘘つかれてるみたいで悔しかったんだよ。」



正直に言ってしまえば、カイトに問い詰められたことなんてどうでもよくて忘れてしまっていた。

むしろ、私がナポルスキーさんの問いに即答で「帰りたい」と答えられなくなった理由もわかってすっきりしていた。

でもこのまま素直に許してしまうのはなんとなく癪なので小言を言っておいた。


「私ショックだったなー。カイトにそんな風に思われてたなんて。」

「そうだぜ、カイト。しっかり謝っとけ。じゃないと明日から口きかないってよ。」

私とリズは冗談半分でカイトをからかったら、カイトはそれを間に受けて必死になった。


「ほんと悪かったよ。もう聞かないから。エイに嫌われたら俺やっていける気がしないから、頼む!」


それを言ったあとカイトは真っ赤になったのを見て私はリズと笑った。


「カイト、私別に怒ってないよ。本当のことだし。」


「エイ、どういうことだ?じゃあカイトが言ってたように自分からここに来たってことなのか?」


「うーん、そう言うとちょっと違うかもしれないけど。最終的に選んだのは私だよ。」


「エイ、さっきは問い詰めるような真似して本当にごめん。でも俺はお前のこともっと知りたい。お前さえよければ話してくれないか?」


「いいよ、わかった。」



隠すようなことでもないし、カイトとリズは信頼してる。

だから私はライとスケープタウンに行って捕まった日のことを彼らに話した。


私とライが捕まり私が囮になったこと、それに対して私は何も後悔していないこと、それだけ私にとってライが大切であること。

そして、今の自分の姿を見られたくなくて、私を忘れて欲しいから帰りたくなくなったこと。


彼らは黙って私の話を聞いてくれた。


「だからね、今は帰りたいとかいうのはないんだ。」


笑って私が言うとカイトは言った。

「別に帰りたくなかったら、帰らなくてもいいよ。でも俺と約束しただろ?」

「ここに来たばっかりの時に言ってたこと?」

「そうだよ、戦争が終わったら俺と一緒にここを抜け出すって約束。そのために生きてよ、エイ。」


「お前ら盛り上がってるけど、俺だって絶対この戦争を生き抜いてやるからな。」

「そうだね、リズ。カイトもありがとう。抜け出すときは連れて行ってね。」


そういうとカイトは嬉しそうに頷いた。

命を捨てる覚悟できた戦場で出会えた仲間に感謝をした。

この人たちに生きていてほしい、そう強く願った。



盛り上がってるといきなりカイトが真剣な顔で、


「でさ、話戻るんだけどその友達って男?」

「そうだよ、同い年の。それがどうかしたの?」

「いや…なんでもない。」

「気にすんなよカイト。さて、明日も早いからもう部屋戻ろうぜ。おやすみエイ。」

「うん、おやすみ。カイト、リズ。」


肩を落としたカイトをよそに楽しそうにリズは自分の部屋に戻って行った。






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