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次はきみが笑う番だ  作者: odd
2章 君との日々
18/38

18 裏側の世界

スケープタウン。

そこは私達の住んでいる街と島の反対側にある街だ。

あまり治安はよくなくて、派手な歓楽街もあるがその裏にはグレーゾーンな商売をしていうる店も沢山ある。

だが、皮肉にもそのおかげで交易は盛んであるためジェイさんも作った武器を売りにこの街に出入りすることがある。



私は覚悟を決めて皆とスケープタウンに行くことにした。

島の東西を結ぶトロッコ列車に乗って私達はスケープタウンへ向かった。


列車を降りてみるとあの頃となにも変わらない風景がそこにあった。

華やかなカジノや劇場の看板。見たこともないような国の人々、人々の喧騒。

私が売られてた頃となにも変わらなかった。


その様子に私は少し怯えたが、皆は違ったようだった。

目を輝かせたロイドが

「なぁ、すげーなここ。俺たちの街と全然違うじゃん。」

「私も初めて来たわ。探検してみましょ。」

とはしゃぐアスカ。

エリックもライもそれなりに楽しそうだった。


怯えてるのは多分私だけだった。

治安の悪い地区に足を踏み入れなければ大丈夫と自分に言い聞かせ、彼らを絶対無事に帰すと私は心に決めた。


スケープタウンは一見活気があって、華やかな街だ。

見たこともないような食べ物や、書物。世界中に繋がっている貿易港。

ただ、裏道に一歩足を踏み入れると世界はがらりと変わる。

違法な薬物や人身売買など犯罪の温床にもなっている。だが、国を豊かにする貿易商と密接につながっているため、政府も手出しできない。

だから、私は怖かった。助けを求めても誰も手を差し伸べてくれないこの街が。


そんなことを全く気に留める様子もなく皆ははしゃいでいた。

ロイドやライだけでなく、いつもは物静かなエリックや、少しお姉さんぶるアスカまでもが我を忘れてはしゃいでいた。

ロイドとエリックとアスカは出店で食べ歩きをすると言って、帰りの列車の集合時間だけを伝えて走って行ってしまった。



残された私はライが港に行って貿易がされているのを見たいと言っていたので付き合うことにした。

港に向かって歩いている途中、ライが立ち止まった。

「ねぇ、エイ。あの店行ってみない?色んな国の玩具が売ってるんだって。」

「どの店?あの看板の大きな店のこと?」

「そうそう、ディスプレイ見ていたら店主のおじさんが友達も連れてきなよって言ってたから。」

「そうなんだ、見るだけ見てみよっかな。」


治安が悪くて子供が出入りしないこの街に玩具屋なんてあるのかなんて思って店の前にあるディスプレイを見ると店主の人がやってきた。

「君たち、お父さんとお母さんは一緒じゃないのかい?」

「うん、今日は僕たち子供だけできたんだ。」

「そうなのかい、中にも色んな種類の賞品があるから是非見ていってくれ。」


店主のおじさんがライを店に招き入れようとした瞬間に私はライの手を引いて走った。怖くて店の人の顔は見られなかったけど、あれはおそらく人攫いだった。

店が見えなくなったころライの叫ぶ声にようやく気づいた。


「エイ、痛いよ。何で店の中に入らなかったんだよ。僕何か買おうと思ってたのに。」

「ごめん。でもあの店玩具屋じゃないよ?」

「なんでだよ。店の前にいっぱい飾ってったじゃん。」

「だって、ディスプレイにある玩具見た?ホコリだらけだったでしょ?普通、店の顔になる商品って手入れするでしょ?それに、あの店の人銃持ってた。ライは気付かなかっただろうけど、ジャケットの下に隠してるのが見えたの。」


そう言うとライは黙り込んでしまった。

だからこんな街来たくなかったんだと後悔していた。

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