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次はきみが笑う番だ  作者: odd
2章 君との日々
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10 助け舟

新しい学校に行く日、私はとても緊張してた。

ジェイさんに拾われて、ライと出会った日から2週間。

私は彼ら以外の人と接する機会があまりなかった。


新しい友達と仲良くできるかなとか勉強についていけるかなとか、不安は沢山あった。むしろ、胸を張って誇れることの方が少なかった。

ただ一つあるとすれば、ライが命を賭ける覚悟で私にくれた血が私の中にも流れているってことだけだ。


そんな小さな誇りを胸に、私は新しい学校へ向かった。


クラスメイトに自己紹介をすると案の定物珍しげな目で見られた。

やっぱり、この黒い目と髪はこの島では異質な存在だったんだね。

そんな事を見ているとライの親友の一人であるアスカが手を挙げた。


「ねぇ、海を渡ってこの島に来たんでしょ?その時の話聞かせてよ。」


私は内心焦っていた。

海を渡っている時、私は売られている真っ最中だったからだ。正直に言ってしまえば、無理やり掃除係や見張り番をさせられた記憶しかない。

そんなこといきなり言って、引かれたらどうしよう。そんな不安が私の頭の中に過った。

今だから言えるけど、この時ばかりはアスカを恨みたくなった。きっと私をクラスに馴染ませるための質問だったんだろうけどね。


そんな事を考えて無い頭で必死に絞り出した私の答えが


「星、が…綺麗でした…」



こんな拙い答えでクラスの皆が満足する訳ないと思った。そう後悔して下を向いたとき教室の一番遠い場所から聞き慣れた声が聞こえた。


「じゃあ、この前の流星群も見たんじゃない?そういえば来月にもあったよね、流星群。」


前を向くとやっぱりライだった。

ライの発言のおかげでクラスの皆の関心は来月の流星群に逸れてくれて、私の生い立ちまで突っ込まれずに済んだ。


隠すつもりはないんだけど、孤児院を追い出されて売られたという過去をまだ皆に知られるのは怖かった。

そんな私の恐怖を察してかどうかは知らないけど、ライの出してくれた助け舟に私は救われた。



この人にどれだけ救われているんだろう。

ライのためになにもしてあげられない自分が少し嫌いになった。


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