イカロス
昔ギリシャのイカロスは~。
不安を数え上げたら
キリが無い
僕たちは飛べない
きっとイカロスみたいには
彼は勇敢だったのか
馬鹿だったのか
それは分からないけれども
必死だったのは分かる
何か新しい事
今まで誰も試した事が無い事
手垢が付いていない
未知の領域
そこに手を伸ばす時
僕たちは一度燃え尽きる
業火によって
そして不死鳥の様に蘇る
黄泉の国から
聞こえる亡者達の声
振り向いてはいけない
甘言に騙されてはいけない
僕らは僕らのための
自由を獲得する為に闘う
時に敗者達はあまりにも残酷な報復をする
血が流れる
平和なんて僕らの視界のど真ん中にしかない
まっすぐに見つめるその視線は
周りを見えなくしたりして
目眩を起こさせたりする
テレポーテーションの扉は
まるで僕たちの生きている瞬間を
自由自在に 過ちという名の
血の池地獄にぶち込みコンマ一秒を寸断する
教えられた事と世界の理は
違いすぎて戸惑う
本当に真実というのは
目を背けたくなるような惨劇
だから僕達は時々空を見上げたりなんかして思う
ビルディングの隙間から僅かに覗く
あの青空の澄んでいる事といったら
塵一つ無い 染み込んで行くスーッと心の中に
非常に馬鹿馬鹿しい日常
悔しい涙を流す事もある
僕達はとんでもない夢なんかとは無縁で
勇者にはなれない でも
太陽に向かって手を伸ばせよ
イカロスも憧れたんだろうな
希望一つをポケットにしまい込んで
太陽に向かって手を伸ばせよ
本当にたった一つしかない
太陽の熱を感じたい
光り輝くあの星に手が届くように
イカロスは決死の覚悟で飛び立ったんだ