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51 あったまってしまったんだが


ビーチの真ん中辺りにある屋台に着き、2人は少し見て回る。


「何食べるの?」

「んー無難に焼きそばとかかなー」

「じゃあ私も焼きそば食べよー」


2人とも焼きそばを食べる事が決定し、列に並ぶ。

さほど長くない列だったのですぐに注文でき、2人は近くの明日に座って食べる。


「ん〜美味しいね〜」

「海で食うと格別だなぁ」


なぜかは分からないが、海で食べると何でも美味しくなる気がする。


多分気のせいだが。


(ゆう)は対面に座る七海(ななみ)が美味しそうに食べているのを見て少し癒されている。


少しして七海はその視線に気づき、恥ずかしそうに話してくる。


「…あの…そんなに見られると…恥ずかしい…かな…」

「ん⁉︎あ…ごめん…」

「あ…やっぱり見てても良い…よ?」


指摘されてから目を逸らしたのにすぐに訂正される。


(どうすればいいの?)


見れば良いのか見なければ良いのか、どっちなのだろうか。


まぁ見た方が喜びそうなのでじーっと眺めておく。


「……」

「…ねぇ…そんなに眺めて楽しい?」

「楽しいというか…癒されるというか…」

「そうなんだ…なら…もっと見て…?」


恥ずかしそうにチラチラとこちらを見てくる。


優は言われた通り七海を見つめてみるのだが…


「…やっぱりダメ!見ちゃダメ!」

「えぇ…」


結局恥ずかしいらしく、目を塞がれてしまう。


(どっちなんだよ…)


七海の熱くなった手で目を塞がれながら優がそう考えていると、即座に手は離された。


なぜだろうか?


そんなに焦りながら手を離して座る必要もないなろうに。


そんな風に疑問を抱いていたのだが、すぐに疑問は解消される。


(…あ…めっちゃ見られてる…)


周りにいる人達に滅茶苦茶見られていた。


ニヤニヤと見ている人や、羨ましそうに見ている人。


様々な視線がこちらに向いていた。


いち早くそれに気づいた七海はすぐに手を離して座ったというわけだ。


たくさんの視線を浴びている事にようやく気づき、流石に優も恥ずかしくて身体が熱くなってしまう。


食事も終わっている事だし、七海を連れてその場を去る。


「う、海で身体冷やすか?」

「う、うんそうだね!」


2人は暖かくなった身体を海で冷やす事になり、ゆっくりと水に浸かっていく。


「つ…冷たいね」

「そう…だな。ま、そのうち慣れるだろ」


熱かった身体が段々冷えていき、それがとても心地良く感じられる。


優がだらんと海の冷たさに癒されていると、七海から攻撃が飛んでくる。


「それっ!」

「んぶぉッ⁉︎」

「ふふふっ…もう1回!」

「うがぁ⁉︎ってちょっと辞めてくれません⁉︎」


手で水を飛ばし、、優の反応を楽しんでいる。

辞めたと言っても何度も笑いながら水をかけてくる。

流石にそこまでやられると、反撃しない訳にはいかない。


「このヤロー!」

「あっちょっとやめてよ!そっちがその気ならこっちも!」

「ぶぉ⁉︎なんか勢い強くない⁉︎」


優の反応を見て七海がいつもより大きめに笑いながら水を強めにかけてくる。

それに対抗するように優も少し強めに水をかけて争う。


側から見ればただのバカップルであるが、優にそんなつもりは全く無い。


七海にはあるが。


身体を冷やすために入ったのに結局あったまってしまったが、楽しかったのでよしとする。


「ふぅ〜楽しかったね」

「ああ。結構疲れるなこれ」


2人はテントに戻り、また一休みするのだった。


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