48 清廉潔白です!
というわけで(?)本日は私と七海ちゃんでショッピングモールに来ています。
どうやら如月くんとの海デートで着る水着を見に行きたいらしいです。
あ、私ですか?
私は七海ちゃんの友達の紗倉璃々です。
最近はよく一緒に遊んでいるのですが、今回はいつもより真剣そうに頼まれたので気を引き締めています。
「ねぇ璃々ちゃん、この水着はどうかな?」
そう言って私に見せてきたのは白と黒のちょっと布面積の少ない水着です。
右胸は白、左胸は黒となっていて、それぞれが真ん中でクロスしていてとても可愛いです。
ちゃっと露出が多いのが気になるけど、とても似合うと思うのでお勧めしておきます。
「とっても良いと思うよ。ちょっと布面積が少ない気がするけど…」
「そう?私はこれぐらいが良いと思うけど…誘惑できるし」
「ん?」
「ん?どうかした?」
「いや…なんでも…と…とりあえず試着しようか」
何か聞こえた気がしますが、とりあえず気にしないでおきましょう。
私と七海ちゃんは試着室に行き、七海ちゃんが着替えているのですが…
「(…あれ?…おかしいな…前まではこれでいけてたのに…)」
「ん?七海ちゃん、どうかした?」
小声でボソボソと何かを言っているようなので何かあったのかと思い、カーテン越しに訊いてみました。
するとカーテンから少しだけ顔を出して恥ずかしそうにこちらを見てきました。
「(璃々ちゃん…?あの…これ…サイズが…)」
そう言って七海ちゃんは胸の水着を渡してきたのですが…
(え…F⁉︎Fがキツいの⁉︎)
なんとFカップの人が着ける水着を渡してきたのです。
それがキツイって事はもしかして…いや、考えないでおこう。
同級生なのにそんなに大きいなんて…。
とりあえずそんな嫉妬は置いておいて、黙って大きいサイズを取りに行きます。
丁度大きめの水着を取ろうとした時に、私はあることに気づいてしまいます。
(Fがキツいなら…ってFがキツいって何?高校1年生だよね?同い年だよね?)
信じたくない事に気づいてしまい、私は衝撃で頭が埋め尽くされます。
(前から大きいとは思ってたけど…そんなになんて…)
私は七海ちゃんの胸のことで脳が埋め尽くされながら水着を持って試着室に向かいました。
「七海ちゃん、持ってきたよ」
「ありがとう」
顔と手だけをひょっこり出して七海ちゃんは水着を受け取りました。
そして待つこと10分、とうとう七海ちゃんはカーテンを開けました。
「ど…どうかな?」
七海ちゃんは少し恥ずかしそうに顔を赤くしていて、とてもウブで可愛いなと思いました。
と、そこで周りの女性客から視線が集まってきました。
それも当然でしょう。
顔も抜群に可愛くて、いつもは隠れている身体のラインが綺麗に見えていて、正直そこら辺のモデルさんより全然綺麗だと思います。
そして何より…
(お…大きい…)
とても高校生とは思えない大きさのスイカは、破壊力抜群でした。
多分周りのお客さんもそこを見ています。
目が飛び出しそうになってますし。
ま…まあとりあえずその辺は置いておいて、今は七海ちゃんの水着選びに着手します。
「と…とっても可愛いよ!これなら如月くんを落とせると思うよ!」
「ホント?」
「うんうん!とっても似合ってるよ!」
「そ…そう?じゃあこれにしようかな」
とっても似合ってるけど、ちょっと破壊力が高すぎる気がする…。
如月くん、なんかごめんなさい。
頑張って耐えてください。
如月くんは紳士でとても優しいから大丈夫だとは思うけど、これだけ破壊力がある水着に男子高校生が耐えれるのでしょうか…。
そこは…考えないようにしておきましょう。
七海ちゃんなら襲われても喜びそうですし。
というか、それが目的の可能性も?
如月くんを誘惑して…みたいな。
七海ちゃん、もしかして結構エッチなのかな?
私の勝手な推測ですけども。
(やっぱり七海ちゃんは如月くんとあんな事やこんな事を…)
「…璃々ちゃん?顔赤いよ?大丈夫?」
着替えを終えて水着を持って出てきた七海ちゃんに心配そうな顔を向けられます。
それに対して私は落ち着いて言葉を返します。
「だだだだ大丈夫だよ⁉︎うん、全然何もないよ⁉︎」
「そ…そう?じゃあ行こっか」
「う…うん…」
こうして私達の清廉潔白で純粋な水着選びは終了したのでした。




