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30 昔話が弾んでしまったんだが


「そろそろ準備するか」


現在時刻は14時20分。

17時に七海(ななみ)と集合する予定なので早めに準備を開始する。


準備するといってもいつもしていることをするだけなのでスムーズに支度を終えた。


そんな中バタバタと駆け足で支度を進めている人が。

間違いなく有咲(ありさ)だろう。


いつもよりかなり気合いを入れているようで、色んなものを探し回っている。

浴衣の着付けをし、母のメイク用品を借りて綺麗にメイクをしている。


今までに見たことが無いほどの気合いの入り用だった。


そして時は流れ、家を出る時間となった。

(ゆう)はギリギリまで準備をしている有咲を迎えに行く。


「有咲ーそろそろ行くぞー」

「はい、お兄さん」


そう言ってこちらを向いてくる。


いつも下ろしている長い黒髪を結び、綺麗にメイクもしている。

何より、紫色の華々しい浴衣が、その美しさを引き立てている。


かわいい。


正直にそう思った。


これだけ準備したのに褒めないのもダメだと思い、正直な感想を述べる。


「おーいつもとは雰囲気が違ってかわいいな。メイクも綺麗だし、その髪型もよく似合ってるな」

「あ…ありがとうございます…」

「ふん!やっぱりそうでしょ〜」


有咲の準備の全般を手伝っていた母の奈々(なな)が誇らしげに胸を張っている。


「ありがとうございます、お母さん」

「いいのいいの〜可愛い娘のためだから。それに、その浴衣がないとここまで可愛くなれなかったわよ〜」

「だな。浴衣の華やかさがあっての美貌だな」

「………」


その場にいる2人に褒め倒されて照れている。

と、そこで有咲を助けようと1人の男が話に入ってくる。


「2人ともやめてあげな。有咲が照れてるじゃないか」


彼は実の父の如月優希(きさらぎゆうき)


少し怖い見た目をしているが、実際はそんなことはなく、優しくて頼れる父だ。


優秀なのでかなり多忙で話す機会が少ないが、その少しの話す時間でしっかり子供達を甘やかしている。

そんな優希にしがみつきに行くように有咲は逃げる。


「助けてください、お父さん!」

「おっと…全く、有咲はちっさい頃からずっと甘えんぼさんだな」

「む〜、そんなことはありません」

「いや、有咲は甘えん坊だな」

「間違いないわね〜」

「む〜」


味方がいなくなった有咲は口を尖らせて露骨に拗ねてしまう。


「私ももう大人なんです!なのであまりからかわないでください!」

「あら〜拗ねちゃったわね」

「ま、いつも通りだな」

「そうそう、有咲はからかうとすぐ拗ねちゃうからなー」

「拗ねるといえば、昔旅行に行った時に___」


有咲のいないところで会話が弾んでしまっている。

時間を忘れて。


10分ほど話をしていると、丁度話がひと段落ついた。


そこで優希が時計を見て時間は大丈夫なのかと問う。


そこで優が時計を見て………


「あ゛ぁぁ!!!」


すっかり時を忘れて会話をしていた為、家を出る予定の時間を過ぎてしまっている。


一応10分前に着くように家を出ようとしていたのだが、その余裕が無くなってしまった。


というわけで優は急いで有咲を連れて行く。


「行くぞ!有咲!」

「…はい」


まだ拗ねているようで、若干足取りが重いが、気にすることなく引き連れて行く。


「行ってきます!」

「行ってきます…」

「いってらっしゃーい」

「気をつけてな」


親に少し手を振った後優は少し急足で歩こうとする。


が、有咲は履きなれていない下駄を履いているので歩きにくいと思い、通常のペースにする。


このままではギリギリに着く可能性があり、何なら遅刻すらあり得る。


なので七海に連絡を入れながら向かう。


『ごめん、ちょっと遅れるかも』

『いいよ、ゆっくりで良いから気をつけて来てね』


七海からかけられた優しい言葉に感謝しつつ、優は有咲を半分引きずりながら集合場所に向かう。


こんにちは。久々に後書を書いてみました。

まあ毎回の如く、話すことは特にありません。

ですが、ここで一つだけ言っておきたい事があります。

作者、妹推しです。

はい。

以上です。

ではまた会いましょー

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