26 女子会です!
私は佐倉璃々。
隣の席のちょっと変わり者の桜庭七海ちゃんの友達です。
そんな七海さんに誘われてカフェで女子会を開いています。
そこまでは良いのですが…
「やっぱり、もっと露出が多い服の方がいいのかな…」
七海さんは幼馴染の如月優くんの事が好きらしく、現在恋愛相談をされています。
私、恋愛経験無いんですけどね。
でも、何とか力になりたいので恋愛小説とかで培った知識でアドバイスをしてみようと思います。
「うーん、如月くんは知らない男の人に七海ちゃんの肌を見られるのは嫌がると思うから、外でデートの時とかはやめた方が良いんじゃない?」
「そう…だよね…」
何とかアドバイス出来て一安心!
「やっぱり、おうちデートの時に肌を見せるべきだよね。うん、そうだよね」
あれ、そういうことを言ったんじゃないんだけどなぁ…。
やっぱり、七海ちゃんは変わってる。
好きな男の子を落とす為にそこまでするなんて……楽しそう!
「うんうん!じゃあまずはおうちデートに誘わないと!」
つい勢いで頷いてしまったけど、多分問題ないよね。
「うん!早速連絡してみるね!」
そう言ってスマホをポチポチ触っていると、段々顔色が悪くなって…遂に力を使い果たした表情でこちらを見てきていんですが…。
「どうだった?」
「ダメだった……」
まぁあの表情ならダメだったということはなんとなく分かっていたんだけど。
それにしても如月くん、手強い。
こんなに可愛くてスタイル良くて如月くんの事大好きなのに。
やっぱり特殊な趣味をお持ちなのだろうか…。
いや、七海ちゃんの好きな如月くんに限ってそんな事はないかな。
きっと可愛すぎて上手く口に出せない恥ずかしがり屋さんなだけなんだね。
なら七海ちゃんがもっとグイグイいけば、きっと落ちるね。
「諦めちゃダメだよ、七海ちゃん。きっと如月くんは照れてるだけだよ。だから2人でおうちデートは恥ずかしくてできないんだよ、きっと。」
「いや、多分それはないと思う」
「え、どうして?」
「……だっておうちデートしたことあるもん……」
………えぇぇぇぇ!?
もうそこまで進んじゃってたの!?
流石に予想外……。
「えぇっと、そのおうちデートの時は何かあったの?例えば………キス……とか?」
「いや……何も無かった…」
あ、またしょんぼりしちゃった。
というか、如月くんも如月くんだよ。
普通こんな可愛い子と家で二人きりなら、キスぐらいするんじゃない?
そしてその後服を脱がせて…………
「えーっと璃々ちゃん?顔が赤くなってるよ?」
「え!?い、いや…なんでもないよ?」
「そう?」
意外と鋭いな、七海ちゃん。
「と…とにかく!如月くんをどのようにしてデートに誘うかだよねー」
「そう…だね…」
「ん?どうしたの?」
明らかに顔色が悪くなってる。
過去に何かあったのだろうか。
「色んなパターンを試したんだけど…ほぼ断られちゃうの…」
うーん、如月くん、手強いな。
これだけ好き好きアピールされると、私なら2日で落ちちゃうのに。
それぐらい、男子高校生にとってはとても魅力的な話なんだけどなぁ。
「と…とりあえず、如月くんとキスをするのを目標にしよう!」
「そう……だね。うん、頑張ってみる」
「その為にまずは___」
こうして2人で如月くんの唇を奪う会が結成されたのでした。




