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22 禁断の最終奥義なんだが


「ただいま〜」

「おかえりなさーい」


ショッピングが終わり、七海(ななみ)を家まで送った後、(ゆう)は家に帰った。


そして目の前に現れたのは、凄くいい笑顔の妹。


「お帰りなさい。お兄さん」

「ああ…ただいま…」


(うーん、この笑顔は怒ってるやつだな)


ずっと一緒にいる妹なので表情一つで何を考えているのか大体わかる。


なので大体怒っているのは分かったのだが…


(何で怒ってんの?)


全く見当がつかない。


朝は割と上機嫌だったのに。

では昼間に何かあったのだろうか。


(とりあえず聞いてみるか)


「えーっと、何かあった?」

「いえ、別に何もありませんよ?」

「うん、それ怒ってる時の反応なのよ」


だんだん怖くなっているような。

本当に身に覚えがない。


あるのだとすれば黙って七海と2人でショッピングに行っていた事だけなんだけど…。


(ん?もしかして…)


「本当に怒ってはいないんですよ?ただ今日七海さんと2人っきりでショッピングデートをしてた挙句七海さんの下着を選んでいましたよね?」

「え?何で知ってんの?」

「認めましたね?」

「あ……」


巧妙な罠に引っかかってしまった。


というか、今朝有咲(ありさ)にはバレていなかったはず。

ではいつどのようにして気付いたのだろうか。


「実は今日ショッピングモールに用があったのですが、そこで七海さんとお兄さんらしき人を下着屋で見かけましてね」

「は…はぁ…」

「まだ本人かは分からなかったのですが、今のお兄さんの反応で確信に変わりました」

「ゔ…」


しっかり墓穴を掘っていた。


有咲の顔が段々怖くなっていく。


「まだ七海さんとデートをしていたのはギリ許せます」

「デートでは…」

「ですが!私に嘘をついたのが納得いかないのです!」

「は…はい」


優は心の中で正座をして反省の意を示す。

その顔を見て有咲も少し表情を緩める。


「で、なぜ私に黙っていたのですか?」


言ったら面倒臭い事になりそうだったからなんて言えない。


なのでこの場を収めるために最終奥義を使う。


「七海……愛してる」

「え?」


突然の愛の告白に有咲はポカンとしてしまう。


そして数秒後、一気に噴火してしまう。


「え…え…えぇぇぇ⁉︎」


驚きの余り大声をあげてしまう。


「どどどどどうしたのですか急に⁉︎」

「いや、有咲への想いが溢れ出てしまって」


これが最終奥義"愛してる作戦"だ。


これを使えば確実に話をそらすことができる。

まぁ1ヶ月ぐらい引きずってきて結構絡まれるが。


致し方あるまい。


「も…もぅ…お兄さんったらぁ…私も、愛しています…」


そう言って抱きしめてくる。


そんな有咲を抱き返し、頭を撫でると嬉しそうに「えへへ…」と、いつものような慎ましい態度からは考えられない声が出ていた。


こういう時の妹は世界一可愛いんだよ、ホント。


そうしてゆっくりいちゃいちゃしていると、母である奈々(なな)がリビングから出てきて、少し呆れ気味に言葉を発す。


「も〜2人とも、仲が良いのは凄くいいことなんだけど、そろそろこっちはいらっしゃい。ご飯できたわよ」


そう言われると有咲はゆっくりと離れて、一度微笑んでからリビングへ向かった。


それに着いて行くように優もリビングへ向かった。


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