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20 デートにしか見えないんだが


ショッピングモールの中を歩くカップルのような2人。


実際、周りから見ればカップルそのものだろう。


それぐらい2人の距離は近い。


「あのーそんなにくっつかなくても…」

「んふふ♡」


七海(ななみ)(ゆう)の腕にガッチリとしがみついており、幸せそうな笑みを浮かべている。


(いや力強ッ)


普通に恥ずかしいので引き離そうとするが、かなりの力でしがみついてきているので引き離すことは出来ない。

それでも何とかしようと腕を動かしてみる。


すると七海が恥ずかしそうにこちらを見上げ、コソコソと話しかけてきた。


「その…あんまり動かれると…胸が…」


七海の大きくて柔らかい物が腕に当たっていた。

元々かなり密着していたので実は結構前から当たっていた。

だが優が動いた事により、相当腕が食い込んだ。


当然優には感触が伝わって来ているので完全に動揺してしまう。


「え!?あっえっとその…ゴメン!」


急いで腕を引っ張り出し、両手を合わせて頭を下げる。


「ううん…だ…大丈夫…」


これには流石に七海も恥ずかしいのが隠しきれず、下を向いたまま顔を真っ赤にしている。

そうやってイチャイチャしている2人だが、当然周りからもしっかり見られている。


「(あの2人、いいカップルね〜)」

「(初々しくていいわね〜)」

「(くっ、イチャイチャしやがって)」


周りの人間からヒソヒソと話している声が聞こえてくる。

これに優は恥ずかしくなって七海を連れて歩き出す。


「と、とりあえず行くか。どこに行く?」

「えっと…服屋さん」


流石にまだ普通に話すことは出来ない。


なのでここからほとんど会話がなく、2人は目的の服屋に到着した。


七海が服をいくつか選んで試着室に向かう。

優は傍にあるベンチに座って着替えるのを待つ。


その間着替えている七海はというと


(え?え?さっき優くんの腕が…え?)


まだ頭の処理が追いついていなかった。


最初押し付けていたのは自分だったのだが。

今になってそれも恥ずかしくなってしまい、七海の頭はショートしてしまう。


そうして頭を抱えているうちに数分が経った。


そこでようやく七海の頭も冷えたようで、立ち上がって着替えを始めた。

いつもより気合を入れてきた服を少しずつ脱いでいく。


そして下着姿になる。

調子に乗っていつもより派手な下着を着けていた。


その事がとても恥ずかしく、またしても頭が混乱するが、優をあまり待たせすぎないように素早く着替える。

そして着替え終わり、試着室のカーテンを開ける。


いつもとは違う黒系統のややセクシーな服に短めのスカート。


「お…おぉ…」


七海は優に見られてからこの服を選んだ事を後悔する。


(あ…こんな服着てたらエッチな女の子って思われちゃうんじゃ…)


そう思い、咄嗟にカーテンを閉める。

その七海の行動に優は驚き、咄嗟に声をかける。


「えっっと…どした?」

「いや…別に何でもないよ?」

「そうか…」


またしてもなんだか気まずい雰囲気になってしまう。

すると突然店員さんが現れた。


「お客様、どうかされました?」

「いえ…なんでもないです…」

「そうですか。実はお客様に似合いそうな服を見繕ったのですが、試着してみませんか?」


店員さんがかなりの量の服を持って試着室の中の七海に問いかける。

それに七海も少し恥ずかしそうにしながら「はい…」と答える。

カーテンを開け、服を受け取る。


そしてすぐに着替え、素早く披露する。


「おぉ、お似合いですね」

「ありがとうございます…」


店員から本気の賞賛を貰う。

そして肝心の優は


「おー似合ってるな。七海の清楚さがよく引き出されてるな」


普通に褒めてきた。


想像の1000倍ぐらい褒めてきた。


これだけ褒められると、七海もご機嫌になる。


「そう?ありがとう♡」


ルンルンのまま元の服に着替える。


というか、かなり手馴れているような…。


(まあ褒めてくれたしなんでもいいや♡)


有咲(ありさ)の服を褒めまくって慣れていることには気づかないまま、七海はご機嫌のまま服を購入した。


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