157 相談ですっ!
私は紗倉璃々。
今日は友達の七海ちゃんに誘われて近場のカフェに来ています。
今日は朝からどこか不安そうな表情をしていたので、多分悩み事だと思います。
私は相談に乗るべく七海ちゃんの正面に座り、注文をした後に事情の説明を求めます。
「で、何かあった…?」
そう訊くと七海ちゃんは一瞬ビクッとし、少し汗をかきながら口を開きました。
「えっと…何って…?」
「七海ちゃん、今日ずっと様子が変だったよ?何か悩みでもあるんじゃない?」
七海ちゃんは下を向いて数秒考えた後、少し泣きそうになりながら悩みを打ち明けてくれました。
「実は…今日1日ずっと優くんがそっけなくて…何だか避けられている気もしてきて…」
「なるほど…」
思っていたよりも深刻な問題で、私も何を話せばいいか悩みます。
でも七海ちゃんは今にも泣き出してしまいそうな様子だったので、急いで言葉を紡ごうとしたときに、私はあることを思い出しました。
「如月くんの顔って…確か赤かったよね…?」
「うん、そうだけど…」
「それってもしかして…」
私は率直に思ったことを口にします。
「恋だよ!!恋!!」
「え…?」
「どう見たって好きな人と話すのを躊躇っている男の子にしか見えないよっ!!」
「そう…かな…?」
「そうだよっ!!」
私はつい盛り上がってしまいました。
店員さんがすぐそこまで来ているのにも気づかずに。
「お、お待たせしました…」
「あっ…ありがとうございます…」
私は恥ずかしくなって身体を小さくしながら静かに腰を下ろしました。
落ち着きも取り戻したところで、私は冷静に相談に乗ります。
「でも、急にそっけなくなるって変だよねー」
「そうなの…。やっぱり私、嫌われちゃったのかなって…」
「そう?私は逆だと思うけど」
私は素直に感じたことを話します。
「やっぱり如月くんの態度は好きな人に接する時のヤツだよ。私、そういう知識はちょっとだけあるから、わかっちゃうの」
励ましつつ、事実を述べてみます。
すると七海ちゃんの顔色は変わり、明るく、そしてニヤニヤとしたものになりました。
「彼氏がいる人の説得力は違うねぇ〜」
「もうっ!!からかわないでっ!!」
突然からかわれて私は頬が熱くなってしまいます。
でも今は私よりも七海ちゃんの話なので、私は少し拗ねた表情を見せた後、七海ちゃんの目を見て話し始めます。
「本当に、如月くんは恋しているだけだと思うよ?だから七海ちゃんは今まで通りアタックしていれば、いずれ告白されるよ」
「そう…かな…」
七海ちゃんは嬉しそうに、そして少し不安そうな顔をしています。
そんな七海ちゃんの不安を払拭すべく、私は少し強い口調で話します。
「そうだよっ!七海ちゃんはすっごく可愛くて優しくて、とっても魅力的な女の子なんだから!自信持って!」
七海ちゃんの両手を握り、強めに言い聞かせます。
七海ちゃんは恥ずかしそうに斜め下を向いていて、本当に恋する乙女なんだなと思いました。
私もそうなのであまり人のことは言えませんけどね。
とにかく、今は七海ちゃんに自信をつけさせることに集中します。
「きっと、結ばれるよ。昔から運命で繋がれている2人なら」
「〜〜!」
七海ちゃんの脳は完全にオーバーヒートし、何も考えられなくなっています。
「あはは…まあとにかく、私から言えるのは、今まで通りがんばれ!!ってことかな」
私は両手で拳を握り、七海ちゃんに声援を送ります。
そうすると七海ちゃんも現実世界に戻ってきて、その言葉を素直に受け取ってくれました。
「うん…。ありがとう。私、頑張るね」
「うんっ!」
七海ちゃんはいつもの様子に戻り、何か決意をしたように胸に手を当てていました。
七海ちゃんはいつも通りならきっと大丈夫。
きっとその思いは、如月くんに届く。
そう信じて、私はお茶を飲みました。




