表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
床下の迷宮  作者: へますぽん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

88/92

旦那さま寝具が

久しぶりの投稿に応援ありがとうございます

思いがけず反応があったので もう少し書きました

 気の利かない従者がそう言って旦那さまについた藁を払う。藁の寝床で寝ていることを天下の往来で言うので旦那さまが真っ赤になって恥いるのは、落語だったか?

 「ミズキ。寝具が」

 そう言って肩にかかる髪の毛からツイっとチモシー(わら)を小さな桃色の指でつまみ、ちらっとわたしに目線をくれながら口に運ぶ。そしてぷふんっと小さく笑う。

 なに、その、イケメンが頬にクリームついてると言いながら親指でぬぐって口にする風。本来そのセリフは与太郎っぷりじゃないの?スタンダードの灰褐色の平凡なチンチラが今日のエスコート役なのに匂わせ系のイケメン仕草だ。伴侶に恵まれない非モテじゃなかったの?

 とうとうチンチラにまで翻弄されるのか、わたし!いや、ずっとシモベとして振り回されてるよね。今も荷運びで使役されてるし。こんなちっちゃい手で存分に掻き乱される乙女心だが、今日はそれどころじゃないのだ。

 「今日から糸を紡ぐ。そして遠征終了次第、網を張って牧草地を増やして食糧増産をする!」

 朝一番で出発前の青年部に宣言したのだ

 この綿から糸を取れば、あの御禁制品、カスミアミのような極悪なネットにもなるだろう。きっと利口な鳥なら忌避する。わからないような鳥頭はわたしのオカズになれ。

 昨夜それぞれの腹の下に蓄えた綿は銘々に持たせるために紐で括りつけた。その紐を用意しながら、何もわたしだけで紡がなくてイイじゃないか。むしろこの器用で繊細な動きのできる大量の前脚を遊ばせるのはどうなのよ?

という気づきがあって、今朝から2つにチームを分けたのだ。

前半、昨夜の拠点に残って糸を紡ぐ班。

もう1班は昼までいつも通りトンネルを延伸してゆく。

お昼に糸紡ぎを終わらせて拠点の撤収。先行班に追いついたら、交代してトンネル延伸開始。

先発班は交代した場所を今日の拠点として砂場や寝藁をセットして、糸紡ぎ開始。

全員で歌いながら散歩してる理由がないからね。空いてる前脚は使うよ。食糧増産は群れが大きくなるのに必要な作業だもの。

そう言ってすごむと若チンチラたちは怯んでいたものの、糸を紡ぎながら歌をうたわせるとたちまちノリノリになってゆく。愛のうた実技篇だけじゃなく、ボルガの舟唄のような労働歌を教えると本家にも伝えたくなるような美しいコーラスを習得する。きっとこの素晴らしい歌声が伴侶に響くのだ。生歌でする手仕事って楽しい。


寝具がついています って言ったのはなんの話だったか

そのあと旦那さまxxxってお供が言うんだけどそれを最初に言って!大きい声でみんなに伝えて!っていうオチなんだけれど、それをも忘れてて。もう遠い記憶すぎて思い出せない

心当たりのある方は是非お願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ